花火野郎の観覧日記2026
観覧日記その2 5/9
Symphonic Starmine 2026 花火×音楽
滋賀県・草津市
びわ湖周辺は、一番規模の大きい大津市の「びわ湖大花火大会」を筆頭に各地で花火大会が行われている。そして草津市のこのイベントは今回初の開催だ。
開催概要には以下のように内容が説明されている。
「Symphonic Starmine 2026」は滋賀県草津市・烏丸半島を舞台に、花火と音楽、そして演奏者と観客が一体となって創り上げる一日限りの「共創型ライブアートフェスティバル」です。
過去12回、毎回完売の開催実績を誇る、「びわ湖大津・ナイトクルーズ花火〜Cinematic Starmine〜」の花火クリエイターチームが、この「Symphonic Starmine 2026」を完全プロデュース。映画音楽など、迫力あるスケールのサウンドに30分の1秒単位でシンクロさせて打ち上げる芸術的な花火をご堪能いただけます。また、ここびわ湖南部の水深の浅い湖面は、花火が綺麗に映るのも特徴の一つで、迫力はもちろん美しさをももたらします。そしてクライマックスはゲストの有名ピアニストと弦楽四重奏と、事前公募により集結した1000人の合唱団、更には有名ボーカリストの歌声までもが花火と一つに。また、当日草津YMITアリーナで行われる「ONE DANCE SHIGA 1000人でひとつになろう! ダンスプロジェクト」を経て、更に当日のシンクロステージオーディションより選抜された30名と有名プロダンサーとのコラボ演出も見どころの一つ、「ここにしかない」圧巻のシーンを創り上げます。
公式の案内の花火写真を見れば、ひと目で担当煙火店もわかる。それなら内容的には安心だし、松江で素晴らしかったバフォーマンスをまた見たいと思って、初めて観る大会は正攻法というマイセオリーから早々に有料席を購入して楽しみにしていた。とはいえここの有料席はけっこうな価格なので相当悩んだのも確か。
往復は車。距離があるのできついと思ったが、費用はすこし安い。出発は午前6時。ナビ様の到着時間は12時過ぎになっているが、会場の駐車場入庫が15時からなので途中のPAで時間を潰した。早めの出発は車だと渋滞や事故規制でどこでどう時間がかかるかわからないから。
現着は13時30分頃。やはり早いので近くの道の駅で遅い昼食を摂りながらさらに時間を潰す。この日は前の晩から風が強く、自宅周りだけかと思ったら、滋賀へ向かう道中の高速道路はずっと横風と強風注意報が出ていて、実際風に煽られながらの走行で緊張した。そして現地も同じように風が強かった。快晴の空で日差しも強烈だったが空気はひんやりした感じで、日陰にいると寒いくらい。
15時前に入庫し、さて空身でロケハンののち、必要な機材は後で運ぼうかと思いきやチケットがあっても「再入場禁止」という設定。車で昼寝とかちょこちょこ機材や衣類を取りに車に戻る、という行為は全否定された。まずは場外から台船の佇まいを眺め、画角を測る。そして必要な機材をセレクトし、防寒着などもセレクトし、全て揃えて入場ということになった。
会場に入ってみれば、その設営、膨大なスタッフにお揃いのTシャツを奢り、音響関係も相当充実。花火を含めてかなり費用のかかったイベントであることが窺える。湖岸には膨大な椅子席が整然と並び、それが完売しているというのだから恐れ入る。
そして購入したフォトグラファーエリア。場所は打ち上げ場所群の正面ど真ん中で一般席後方、会場内では一番後ろの位置。しかしフォトグラファーエリアについてはチケット販売の案内を見ると、
フォトグラファーエリア(1名〜8名) 28,000円 会場駐車場付き(1組1台最大8名まで)
とある、これだけみれば、28,000円は払えば最大8名まで一台の車で来れば8名で撮影できる広大なフォトグラファーエリアに入れるように受け取れる。しかし実際は別の有料席説明に「1.5m四方のスペースに三脚を立てて撮影が可能です。」とある。1.5m四方に三脚が8本立てられるわけがない。つまりおひとり様専用。1名〜8名という表記はどういう意味なのか主催者に聞いてみたい。これは表記ミスだと思うしミスでなければ紛らわしい。これを信じて一人3500円ずつ出しあって8名で来る客がいたとしてもおかしくない。現に私もここまで来てはじめて理解した。実際は写真のように本当に1.5m四方に椅子が1脚だけの極狭スペースだった。この広さだと背の高い三脚と踏み台を使うと脚の広がりがスペースを超えてしまう。この場所、花火列に対して超接近戦なため、横位置で全体を撮るなら使用レンズは14ミリ以下と花火撮影には近すぎて超広角持ちでなければけっこう厳しい。
打ち上げ台船はセンターに10号筒を積んだ大型の台船が一隻、その手前に50メートル間隔で9隻の小型台船が並ぶという設置。つまり小型船は400メートルほどの幅。しかしこれが間合いが近い。公式HPなどでは会場の配置図などは見られるが、花火の設置までは出ていない。経験則から「相当接近戦」と予感し、広角領域のレンズを3本も用意していた。
現地で画角をみると横位置の16ミリでは9隻の台船のうち8隻しか入らない。14ミリも大差なかった。それで伝家の宝刀11ミリを使用した。私は使う気もないので魚眼を持ってないが、それに近い超広角を花火用にと随分前に入手していた。それを使えば曲導が寝てしまうし、広角の歪みで高さも出ない。それでも打ち上げ位置を全て入れたかった。
さすがに知り合いには会わないだろうと思っていたが、なんと隣の隣の席が古くからの愛好家仲間だった。その後地元の古くからの愛好家が合流し、花火談義で楽しい時間が過ごせた。向かって正面に陽が沈むロケーション。それでも待機中は冬場の上着を着ていないと吹き続けた冷たい風に耐えられない感じだった。
予定通り19時30分に打ち上げはスタート。向かって右方からの強めの風で、花火の開花はだいぶ流され気味だった。煙火は琵琶湖ということもあってびわ湖大花火大会や広島、松江でも有名な京都府の國友銃砲火薬店。披露されるのは縦横斜めの打ち上げを駆使した「國友打ち」。大型台船は一隻だけだし、手前は小物しか積んでないからどうかな、と思っていたけれど、良い方向に裏切られた。至近距離ということもあってか得意の5方向斜め打ちを主体に、見事な打ち上げ。物量も申し分なく密度の高い花火内容だった。終幕ではなんと左右で水上自爆まで炸裂。驚くとともに、その爆裂の振動と波動で圧倒された。
さて、花火終了。最終カットが20時21分。およそ50分間の打ち上げ。地元の道の駅のスタッフもここで花火をやるのは初めてだから帰りの道路がどんな混雑になるかわからないと客に説明していて、日付が変わるまでに最寄りの栗東ICに入れれば上出来、と車で来ているだけに脱出に時間がかかるのは覚悟していた。有料席に一番近い駐車場ということは一番奥なのでこの駐車場から一般道に出るだけで何時間かかるやら、と思っていたが積み込んで車を発進したのが20時36分、そして栗東ICから高速inは21時30分と予想よりかなり早かった。帰宅は明け方。
花火内容、音楽関係、飲食関連、運営状況を鑑み、初回にしてはかなり行き届いたイベントと感じた。少なくとも有料席を買った客は、視界全部が花火になる豪華体感は確実。特にフィナーレの猛爆は近いだけに阿鼻叫喚の体験ができると思う。その意味で花火を浴びるほど感じたい観客向けと言える。もちろん音楽の方も音響システムやライブ感は有料会場ならでは。しかし動画やスチルの撮影にはフォトグラファー席は適していない間合い(近すぎる)で価格に見合わないと私は考えたので次回があればこれを買うことはないだろう。近すぎるということはせっかく10号を放っても手前の弾幕の背後でその高さが感じずらい。離れた無料の場所から撮った映像をみると、煙火店が工夫して玉を配置したその綿密な構成がよくわかる。
関西圏にお住まいの方はともかく、関東以北にお住まいの方はびわ湖大花火大会同様、ここまでやってくるのが大変。私もリピートするかと言われれば、花火は1時間開催でも内容は申し分ないので是非、と思うのだが行き帰りの交通費のことを考えると悩ましい。今回の車での6時間を越える片道500キロ走行はきつかったし、さりとて電車にすれば往復3万円ほどかかり、この終了時間でこの距離なら夜行の高速バスでも使わなければ草津や京都での宿泊は必須だからなぁ。
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