花火野郎の観覧日記2025
観覧日記その1 3/23
第4回 奉納新作尺玉祭/新潟県の花火伝統技術継承作品発表会
新潟県・小千谷市片貝町

初のへぎそば |

観覧会場の様子 |

ようこそ!おぢやへ 尺 |

御礼 尺玉二段打 |

御礼 尺玉二段打 |

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今年初の花火観覧と撮影になった。フォローしているからSNS上でたびたび片貝煙火工業と片貝花火サポーターズ倶楽部による、この奉納新作尺玉祭のお知らせと協賛の呼びかけを目にしていた。昨年も知っていたのだけれど、その時の写真などを見るにけっこういい玉が上がるっぽい。しかも10号ですぜ。ということで気になって観覧しようかと考えた。花火はどこからでも見えるから、もちろん協賛しなくても観覧は可能。しかしただ観、ただ撮り、それでSNSでスチルや動画の戦果を報告し「いいね」だけゲットというのはいかにも愛好家として恥ずかしいではないか。で、ささやかながら協賛し観覧に赴いた。
協賛にはクラウドファンディングのように返礼があり、一番はプログラムと玉名が入手できること。これらは直前に協賛者にメールで配信され、「プログラムと玉名は返礼品であるから、ネット上にアップしないように」と但し書き付きだ。せっかく良い玉を見ても玉名と作者がわからないのでは私としては意味がない。そして駐車場付き、というのもありがたい。
日曜に遠出しての観覧は翌日が仕事だからリスクが大きい。それでも久しぶりの花火を見たかった。伸び悩んでいたかに見えた協賛金は締め切りが近づいたところで目標額を大きく上回り、奉納新作尺玉祭(15発)と新潟県の花火伝統技術継承作品発表会(25発)と無事尺玉40発が披露されることとなった。それだけ逸品が上がるなら新潟まで遠征もいいかな。
関越道を走るのは2年半ぶり。関越トンネルを抜けてから湯沢近辺はまだまだ大量の積雪だ。当日は昼前の到着として、現地で昼食の予定。それで人生初の「へぎそば」を食べようと、2軒ほどお店の候補を調べた。1軒目へ行くとなんと「臨時休業」。2軒目は開店時間に間があるので、近くのAEONで時間を潰して、と開店時間をやや過ぎて戻ったらもうけっこうキャパのある駐車場が満車に近くなっていてびっくり。あわてて入店して初のへぎそばを美味しくいただいて満足。
片貝町に向かう途中の稲作地帯は一面真っ白の残雪。こりゃ現地、しかも撮影予定場所は田んぼの近くだから積雪状態かと覚悟した。協賛者には境内の観覧場所が用意されているが、私は最初から少し離れた観覧場所に決めていた。現着して指定駐車場に入れ、撮影予定地を見るとほぼ雪が無くて安堵。しかもそこから先に続く稲作地帯もほぼ雪が残ってなかった。指定駐車場は花火筒モニュメントの近く。
一応下見に浅原神社に行ってみるが、昼過ぎということもあり、昼食タイムか誰も居なかった。9月の例大祭には桟敷が設けられる斜面はしっかり雪原状態。協賛者席などを確認する。しかしそこから街中を歩いても誰一人出会わなかった。
午後は昼寝したりほとんど車内で過ごす。しだいに他の協賛者と思しき面々も到着し、境内の入場ゲートには16時オープンの3時間も前から並んでいたという。
日中は暖かかったが夕刻には冷えてきた。冬並みの防寒装備をして17時半頃機材を運んでスタンバる。撮影場所には到着時に仮三脚で場所取り済だ。後から数人の無料観覧の撮影者もやってきた。
協賛席でなく、なぜ離れた場所かというと、やはり桟敷席近くは、私が片貝に来始めた当初より打ち上げ場所が後退しているとはいえやはり近い。今回の協賛者席は桟敷が設けられる場所の一番後ろの特等席。番付を読む放送席の並びくらいの位置。それでも間合いは300メートル余り。そして観覧場所より、高い位置から上がるので近場の見上げという環境。撮影者としてそのシチュエーションを好むかどうかだ。開花はほぼ頭上近く。当然最大広角の画角。それよりもせっかくの珠玉の尺だから離れて高さと形が歪みなくきちんと見えることを優先した訳。もちろん私も桟敷席近辺から散々撮影した。片貝まつりらしい絵は、桟敷席近辺でしか得られないとも思う。しかし今回は秋の例大祭の花火ではなく、尺玉の新作お披露目なのだ。同時に撮影する要素の桟敷席もそこを埋める観客もなくお立ち台も奉納連の熱狂もない。玉の出来栄えさえ撮れれば、目的達成のイベントなのだ。
撮影はカメラ1台のみ。ダウンウエアの外側も冷たくなっていたから用心のためレンズヒーターも装着。境内から離れたことで、アナウンスなど聞こえないから射出のタイミングは「カン」でやるしかない。9月のまつりでは、名物の番付読み上げのアナウンスが離れても聞こえるが、今回はおそらく境内に居なければわからないくらいの音量だろう。
間合いは1キロメートルちょっとか。ここは筒場が目視でき、打ち上げスタッフの使用するヘッドランプの灯りとかが直視できる場所なので発射のタイミングは掴みやすい。予定通り19時スタートし、プログラム通り順次素晴らしい尺が放たれていった。多重芯が多いわけではないが、芯物、八方咲系、時差点滅系、段咲千輪など、まことに多種多彩。もちろん一つとして同じ玉は無い。だから1発たりとも目が離せない。そんな緊張の時間だった。
さすがに目の前のバイパスも今夜は行き交う車の量も少ない。居場所は暗く、静かな晩だった。風は西寄りの南風か、花火背後の夜空は快晴で、開花の発煙はゆっくり向かって右方向に流れ、全体がすっきり見える最高のコンディションだった。
事前の公式発表では、終了予定が20時30分頃となっていたが、実際の最終カットは19時35分。打ち上げも滞りなく進んだようで正味30分ちょっとだった。
撮影場所は神社境内の協賛席より、はるかに駐車場に近いので速攻撤収してただちに車を出す。おかげで自宅には23時ちょい過ぎに帰ることができた。
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