花火野郎の観覧日記2023

観覧日記その7 8/11
第41回 三国花火大会

  
福井県・坂井市

    

スターマイン

水上スターマイン

斜め打ちスターマイン

2尺玉2発同時打ち

これぞ三国の花火
    
 一度は行ってみたかったけれど、北陸三県は埼玉からは遠すぎる。それでも今年意を決して車で出かけることに。
 酒田と同様にあらかじめ有料席をいくつか入手しておいた。といってもいくつかは既に売り切れになっていた。買った指定席もどういう場所なのか初めての大会で全て現地で確認するまで撮影に使えるかどうかわからない。
 お盆の帰省渋滞抑制か11日から13日まではETCの休日割引が無しということで、通行料が嵩むが仕方ない。主催指定の有料席を買うと指定駐車場(無料)が用意され、そこから観光名所の東尋坊近くまでシャトルバス(無料)で運んでくれる。バスを降りた地点からは有料席まで2キロメートルくらいか徒歩20分。
 台風の影響かどうかフェーン現象なのか現地は猛烈な暑さだった。熱中症対策か有料指定席は開放は15時。シャトルバス運行も16時からと遅い。それが助かった。上信越道から北陸道は帰省渋滞からほぼ外れているものの関越道から上信越道の頭で帰省渋滞。そして北陸道に入ってからは金沢に近いところで工事による車線規制で2箇所でとんでもない渋滞を食い、それで1時間くらいロスした。朝6時半にスタートしたのに、休憩を含め指定駐車場着は15時40分くらい。有料席現着は16時30分くらいだった。
 近辺は大会が用意したものとは別にあちこちに民間の有料観覧席が溢れていた。だから主催指定と隣接していると間違うことに。
 まずはお値段が高い方の指定席に向かう。あぁ私がゲットしたのは最後の方だったのか。65区画の64番目。と目の前がすぐに海なのはいいけれど端っこすぎて、20号を放つプログラムを考慮すると当然広角領域。すると左方向に邪魔な事物がいろいろ写り込んでしまう位置だった。区画も狭く、なんでこう椅子を密着させるかな。立って撮るのは不可能。指定番号が若い位置なら申し分なかったのだが。とりあえず荷物を置き、初めてなのでスタッフに打ち上げ場所などを尋ねる。その方向を双眼鏡で確認すると、設置内容がよく分かった。聞くまでもなく20号の4本の筒が肉眼でも確認できた。20号まで約800メートルあまり。それ以外の打ち上げはその手前、サンセットビーチにより近い所に。斜め打ち出しの筒や大量のスターマイン筒が見えた。
 その指定席からビーチ方向を見て、そういえば購入してあったもうひとつの有料自由席はどんなだろうと一応行ってみることに。そこは指定ではなく、広い区画の空いている場所に早い者勝ちで自由に座る所(敷物付き)だった。そして入場する。ぱっと見回して過去の観覧経験から一瞬で腑に落ちるいい具合の場所を確保することができて、最初の指定席から三脚と機材を運んでこちらに決めた。両方買っておいて正解だったぜ。そこは座って見るのが前提の区画の中でも三脚を伸ばして立って撮れる唯一のエリアだった。目の前は浜辺で有料の椅子指定席がびっちり並んでいた。当初17時頃はスカスカだったが、そのびっちりの椅子席もやがて観客で埋まった。しかしたった3時間程度の待ち時間だが、日差しが暑い、空気が暑い、木陰でも座っている場所も暑い。という有り様。遥か遠くに見える発電用の風車が風を伝えてくれる。台風の影響かどうか風向きはほぼ完全に追い風順風で良いコンディションの晩になりそうだった。
 コロナで相当疎遠になっていたかつて多くの大会で一緒だった花火仲間が夕刻に観覧場所を通りがかった。それでこの大会に初めて来たおかげで再会し歓談することができて嬉しかった。
 始ってみると、経験則でチョイスした場所はいくつかの目玉プログラムが進むにつれてなかなか好適なアングルなのだと思った。次回があれば安いからまたここでいいや。難点は足元がコンクリートで日中焦がされた熱を花火開催中も蓄積放熱していたこと。立っても座っても暑い。暑くて打ち上げ中も拭っても拭っても汗だくだった。私は撮影中は必ず長袖シャツは着ているのだがこの晩は耐えられず脱ぎ捨てTシャツ1枚で過ごした。
 打ち上げ本体は海に向かって斜めに長く伸びる防波堤の上。ほぼ一直線の防波堤の手前サンセットビーチ側から、スターマイン、10号、20号と並んでいく。20号が約800メートルあまりの距離。スターマインはワイドで打って10号が裏に入っても縦位置でも撮れる幅だった。防波堤がビーチから見て斜め一直線なのでビーチに対しての設置はそうとう斜めになっているからだ。
 名物の水上スターマインは大型高速船による投げ込みか、ここは期待以上の迫力だった。うおぉでかい。近い。すごい。幅広い。足元が振動し眼前の海上がそれで埋め尽くされる。こうだこうだ、水中花火はこの迫力でなくてはっ。水上物には20号が含まれ、それは別プログラムで単独で打ち上げ防波堤の突端で開花した。
 斜め打ちスターマインは、柏崎でいえば海空中スターマインか。後半7号か、いやこれでも4号かもしれない。をぶち込んでいるのが鬼気迫る近さの開花だった。使わなかった指定席だったが自分の方に打ち込まれて星が刺さるのではないかと怖いくらいだったろう。
 花火は濃くて素晴らしかった。濃密な堀内煙火成分で満喫できた。もういい加減半分過ぎただろうと時計を見るとまだ20分も経過していない。暑さのせいもあるが1時間が長く感じた。いや内容が濃いのだ。めぼしい大型プログラムの合間は単発打ちが間断なく入り、ほぼ花火が上がっていない時間が無い。
 フィナーレはコロナもあって久しく忘れていた絶叫タイムだった。アナウンスされたタイトル「これぞ三国花火」そのままに、斜め打ちスターマインが再びド迫力開花して騒いでいるうちに、全打ち上げ場所からの猛爆。目の前の全空間が錦の花火で埋め尽くされる凄さだった。辺りからも感嘆ではなく悲鳴に似た歓声が上がる。ひさびさにとっちりと花火を堪能できた。あぁ素晴らしい。遠路はるばる来て良かった。
 暑さで撮影の凡プレーもあったが、おおむね初めてにしては思い描いたように撮れたのでまずまずかと。現地に来て、ロケハンなり、歩いてみないとわからないものだ。そして指定席に甘んじることなく、良い場所をゲットできて良かった。
 昨今は有料席、指定席が主流になってきている。見る分には良いが、写真家としてはそこが撮影に使えるかどうかが肝心。ネットなどで購入するにしてもたいていは席(場所)は選べないからだ。この日古くからの知り合いの写真家とも再会したが、カメラ席を捨てて別の場所で撮っていた。20席しかないカメラ席をよくゲットできてよく捨てられると思うが、私も高い方の指定席を捨てたのだから撮影者としては当然の選択。金額ではなく、思い通りの構図で撮れるかどうかが肝心なのだから。
 今後の各地の大会ではこのあたりがベテランの写真や動画の愛好家にとっては悩ましい選択になるだろう。選べないカメラの指定席をそのまま使う、というのはどうしたものかというチョイスだ。「どこから撮ったか」、つまり構図は個性でその人の作品の一部なのだ。そこを他者に委ねるならそれはもう100パーセント自分の作品ではない。それでも他に撮影できる場所がなければどうするか?そういう悩ましさが今後付き纏いそうだ。どこからでも自由に撮れた頃が良かったが、それも時勢。
 指定席のメリットは、なにより場所取りのための長時間の待機がないこと。開始間際に着席すれば良いこと。もっとも開始間際では、大混雑により、そこにたどり着けないリスクもある。とくに猛暑のこの夏のようでは早くから場所取りやロケハンなどは命に関わるからだ。
 終了後は相当混み合う中をシャトルバスの発着所まで戻る。戻りはずっと上り坂なので人に囲まれた暑さの中ではきつい。今回は、こうした歩きを考えて、機材はカメラザックとして背負っている。三脚も一本きり。バスはかなりの台数がすでに待機していて安心だった。一般客の帰路と同じ道なので当然渋滞したが、20時30分過ぎの花火終了から歩きとバス運行を加味して指定駐車場まで1時間45分で着いた。これは想像以上に早い。機材を積み込み、着替えなどをしてスタートして最寄りの加賀ICまではナビ任せで40分。北陸道インは22時20分だった。
 それから仮眠と走行を繰り返し、自宅には午前6時着。なんとか無事に帰り着けた。花火内容を考えるとリピートしたいのはもちろんだが、やはり遠い。上越JCから先の北陸道が途方もなく長い。しかし往路、元山ヤでかつてその頂に立った私としては、その北陸道から直接北アルプスの剱岳が見えること、その頂の遥かに高いことに車中から眩暈がするほど感動したのだ。

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