花火野郎の観覧日記2017

観覧日記10 7/16
第32回 さかいふるさと祭り利根川大花火大会

  
茨城県・境町

 自宅から遠望できる花火大会で、音も聞こえる。近くなのだが一度も会場に行ったことがなかった。かつては終幕に20号を打ち上げており、それは自宅からでもひときわ高く見えた。近年になり業者が変わり、茨城県の山崎煙火製造所と野村花火工業が担当することになったことを知り驚いていたら、今年はこの2業者に加えてなんと長野の紅屋青木煙火店まで参加、と聞くに及んで初観覧することになった。勝手がわからないので、とりあえず安めの有料席を押さえておく。
 自宅から現地までは車で15分と近い。しかし車がないと不便な場所だ。自転車ならそこそこ行けるかもしれないが機材を運べない。
 会場に接近して利根川を渡ると河川敷の有料駐車場がそこそこ埋まっているのが見えて焦る。主催者は例年以上に広報に力を入れたらしいが、まだ14時過ぎでまさかそんな出足が早いとは。車を駐めて堤防道路に上がるともう斜面上部はみっちりと場所取りされているではないか。
 有料席入場は16時からなので、入口の待機列に既着の愛好家氏とともに並んだ。買っておいた有料席は堤防斜面の位置だった。そこに組み立て式の段ボール斜面用椅子を貰って好きな場所に座る、というエリア指定。私も久しぶりにというかめったにやらない座った位置での撮り、というのをした。この区画はアリーナと名付けてあるのでてっきり平場の河川敷だと思っていたから、予想外に視点も高くて快適だった。
 玉村の時に境町観覧経験者の知り合いから「メチャメチャ花火が近い」と知らされて、14ミリの最大広角を携えてきたがそれでも「足りないなたぶん」と思わせるほど、直ぐ眼下に並ぶ山崎煙火のセッティングは充分すぎるほど「直ぐそこ」に並んでいた。
 他の野村花火と青木煙火のワイドスターマインや10号打ちは全て対岸の野田市側ということだった。対岸にある関宿城博物館近くの河川広場ということだが、メイン側から観ると樹木なども多く、業者のトラックなどは確認できるものの花火の設置列や筒さえも肉眼ではどこに在るのか判らないほど。
 車で河川敷まで乗り入れているのでカメラは2台体制。三脚も2本。1台は目の前の山崎煙火専用で14ミリ横位置固定。もう1台はズーム縦で、野村、青木煙火専用とした。最初に三脚だけ運んで有料席の位置決めが終わってから、残りの機材を運んだ。もう夕刻には堤防道路は通行客で一杯になっていた。
 18時30分くらいから、前方の彼方で稲妻が見えるようになり、スマートフォンなどでの豪雨予報アプリにはっきりと雷雲の塊が迫り来ていた。しかしその予報の進行方向と実際の雲の動きは違っていたので、この会場への直撃は無いと踏んだ。それでもパラパラと雨は来たので傘でしのぐ。空一面に網の目のように稲光が奔るなど、悲鳴と戦慄の瞬間もあったが、雷雲本体は南側にかすめて逸れていった。
 そうした雨待ちもあって少し開始が遅れたが、後はプログラム消費は順調。しかし雷雲が風を呼び込み、やってきたのは抗いようのない逆風。風下。
 山崎煙火の打ち上げは、用意された物量も凄く、また設置も手が込んでいて圧倒された。もう前髪が焦げそうなほどの目の前だもの。おかけで近年味わったことのないほど降灰を浴びて何度か目に入ってしまった。目の前の山崎煙火分は頭上高く開きそのままバラバラと燃えかすや時には火の粉さえも落ちた。
 対岸の2煙火店の打ち上げは有料席というのがなんだかなーと思うほど、打ち始めてみると斜め左方向の遠くだった(約1キロメートル強)。もっと下流側(有料駐車場のあたり)でないとワイド打ちを正面から眺める風にはならない。そんなことは初めてでわからなかった。しかしこの横斜めから観ている位置、というのがこの日は幸いした。野村花火や青木煙火の真正面位置だったら真向かいからの煙でやられていただろう。斜め方向からで綺麗な放射星打ちは煙に霞んだものの上空の玉はすっきり見えたのだから良かった方。
 配布された段ボール椅子だが、あと最後のプログラムを残すのみ、というところでヘナヘナと崩壊して潰れてしまった。仕方なく後はしゃがんでの撮り。これで後日筋肉痛になってしまった。常総市の花火大会で有名な斜面用組み立て段ボール椅子だが、境町のそれは常総市と同じ物ではなく、一回り小さく、内部の強度を出す構造も単純で、これは大丈夫かな、と思っていた。開始前にすでにけっこうたわんでいたが、そもそも常総の大会より開催時間が長い境町でより強度の低い段ボール椅子が最後まで持つわけないか。女性ならともかく私より体重の重い男性はどうするのか。みれば一人で何枚も椅子をせしめた者も居て、途中で交換していけばなんとかなるというわけか。
 青木煙火はワイドミュージックスターマインのみでの参加だが、他の2煙火店に配慮してかおとなしめの演出というか玉使いだと思った。もちろん超ハイテンポの星打ちは青木らしさを充分に発揮していた。
 野村花火のミュージックスターマインは今まさに絶好調の時間差星を駆使した星打ちといい、使用玉といい野村ワールド一色。このひとつのプログラムだけでも満足してお帰りが出来ると感じたくらいだ。もちろん10号単発20種、10号連打スターマインも見応えがあった。ワイド系は場所の制約でこれ以上の幅では打てないらしいが、10号を積んでいるのだから十分過ぎるパフォーマンスだろう。
 来年も同じ花火屋さんのラインナップだったらまた観覧したい。願わくば、山崎煙火は2つの現場に分かれると負担だと思うけれど手前河川敷で似たようなプログラムを繰り返すのでなく、野村、青木同様に対岸でミュージックワイドか10号打ちも担当すればより三社三様のバラエティに富んで充実するのではと思う。
 終幕は開発音で判断するにあきらかに10号クラスが混ざっているだろうと思ったが、対岸からの裏打ちがあったらしい。目の前の弾幕がもの凄くて大玉も混じり合い、勿体ない気がした。
 予算が集まれば新規の煙火店も呼んで規模を拡充したい、と主催側には今後の豊富があるようだ。しかし交通インフラが問題点だろうと思う。町内全域で渋滞中などと開幕の挨拶で述べていたが、それは麻痺状態ではないか。少し遅めに町外から観覧に来たお客はたどり着けたのだろうか。今年の開催でおそらく来年は評判を呼ぶだろうけれど、町外から客を集めようにも自家用車と路線バス以外の手だてが無く、宿泊場所も限られる。私の知り合いも、東武線の東武動物公園駅からの路線バスで会場に向かったが、渋滞のために通常40分の道のりに1時間45分もかかったという。帰りのシャトルバスなどはどうだったかを考えるまでもない。公共交通機関での来場と帰りは考えない方が良さそうだ。道の駅さかいの近くのさかいモールのスーパー銭湯は23時間営業で宿泊もできるのでそこで一夜を過ごすのもよいかも。
 私は近場だからと余裕こいて14時過ぎの現着だったが、河川敷の有料駐車場はすでに2/3は埋まっていた。その後空きがあるにもかかわらず、時間になって交通規制となり、河川敷駐車場入口に通ずる唯一の国道354号を歩行者天国にしてしまったから、もう有料駐車場へたどり着けず、そこは全て埋まらないままだったらしい。
 終了後、車に戻るのに15分。有料駐車場河川敷から一般道に出るのに30分かかった。そこから私は東方向に抜けるが途中の4号バイパスまで渋滞したが自宅までは30分と往きの倍掛かったものの順調な方だろう。知り合いは北側に脱出してスムースにJR宇都宮線の古河駅に着いたらしい。マイカー組はつまるところ何処にPするかが問題。私は初めてなのでそれも協賛、と有料河川敷に入れたが、歩きが苦でなければ周辺の無料Pの方が脱出が早いと思う。
    
    

INDEXホームページに戻る
日記のトップに戻る