花火野郎の観覧日記2017

観覧日記その25 12/2〜
お台場レインボー花火 2016

  
東京都・港区

12月2日
  
  
 お台場も回数を重ねると新しい撮影場所もネタが尽きる。だいたい5回が5回ともしかも毎年毎年台場の同じ場所からレインボーブリッジやましてやイルミや女神像を入れて同じような写真を撮るのかい?いくら花火内容が変わると言っても私はそれでは飽きるし、わざわざ交通費をかけて来ているのだからもっと写真を楽しみたい。今回はひとつは新しい場所を考えてあった。しかし初日にまっしぐらにそこに行って唖然とする。
 ストリートビューの錯覚。そもそもストリートビューはかなり「広角」で撮っているので、距離感を間違えやすい。対象物は遠ざかって小さく見えたり、間合いがたくさんあるように感じるのだ。そして現地に行ってみて、花火との間にある建物が「こんなに壁のように背が高いとは」と唖然とした。もっと遠くに低くあるはずと、錯覚したのだ。花火が見えないじゃんか。久々にやっちまったぜ。まったくの徒労。
 結局そこは使えず、別の場所にしようとゆりかもめで移動しながら考えた。とある駅の直前で「おおおーっ」と素敵な光景が車窓の向こうに広がっていた。ちょうど日没近くでその夕景も綺麗だった。最寄り駅で降りて早速そこに向かう。距離はあるもののこれは地図を見ただけでは思いつかなかった。
 「あ り あ け き た ば し」・・有明北橋か・・。三脚を建てる場所に制約(揺れるとか)があったがまぁまぁいい感じ。そして佇んで2時間ほど待った。なにせお店とか無い場所だ。ジョギングとか犬の散歩とか買い物帰りとか近隣の住民が通りかかるくらい。その一人のご婦人に話しかけると、あっちの方にカメラの人がたくさん居た、という。あぁ去年私が撮った場所ね。今回は他に誰も撮影する人も花火見物も居なかった。
 もちろん花火の出所は到着してただちに、MAPアプリで確認済みだ。そして実際もその通りだった。今年も台船位置はあまり変化がないようだ。打ち上げは曲打ちが多くなかなか華やかだった。毎回これなら楽しめるなぁ。新橋駅で遅い夕食をしてから帰る。
 
12月9日
  
  
 前回、開始を待っている時間中に、さらに別の場所を思いついた。それは芝浦のループ橋と同様にゆりかもめ線が花火の前を通過する構図が取れるポイントだった。
 界隈のストリートビューの写真が古く、細部までわからないので、実際に当日行って使えるか判断することにした。ダメならまた別の場所で。最寄り駅から5分ほどのポイントに着いてみると思い通りの構図が決められそうだ。待ち時間が短いように現着は17時30分くらい。なのでもう陽も沈んで先週のような夕景の時間は過ぎていた。やはりジョギングだとか近隣の住民がけっこう行き来する場所だ。運河は先週同様にお台場に向かう屋形船が何隻も通っていく。
 「き や り ば し」・・木遣り橋か・・。橋の名前を平仮名で標すのはどうしてなのか。前回よりさらに500メートルほど間合いが延びるので画角は横で120ミリくらいか。縦で寄せると150ミリ以上とかそんな感じ。交通量の多い道路端なので、大型車が通っても揺れにくい場所をチョイス。長玉だから揺れには注意。
 花火の出る位置はあらかじめ地図で計算済みだが、30分前と10分前くらいに雷が上がったのでより正確に射出位置がわかった。台場もレインボーブリッジも関係ない写真だが、ゆりかもめを絡められたのは希少なポイント。
 帰りはその方が近いから豊洲の方に抜けたが、ここはこんなに発展している街だったとはとびっくり。運河沿いにタワーマンションだか高層の建物とか大型ショッピング施設とか建ち並ぶ都会そのものの光景で、夜景だけ撮りに来てもいい感じだった。有楽町駅近辺で夕食して帰る。
  
12月16日
  
  
 プロジェクション・マッピング会場の花火開始が18時35分予定で、レインボーが19時からというわけで、ビッグサイト入口の広場からイベント終了後に徒歩やゆりかもめで行ける範囲には時間的に限りがある。イベント終了後では台場の定番ポイントは場所確保が間に合わないし(イベント前から捨て三脚でも置いておけばいいだろうけど)。とくに徒歩ではお台場海浜公園に行くまでもけっこう距離が在るし。
 昨年は花火が18時15分〜20分頃上がっていたと思うので今回は後ろにずれた感じだ。幸いにゆりかもめには直ぐに乗れる距離。昨年梯子した愛好家は、息を切らすように台場のポイントに来ていたが果たして間に合うのか?
 プロジェクション・マッピングのイベント開始は16時30分。投影開始は17時からと間があったので、初回のレインボーで通りかかった時に気になっていた場所を下見しておくことにした。またの機会に使えるか、ということよりも予定通りにイベントが進むと、海浜公園はもちろんましてや対岸に移動するには時間的に厳しいとみて、近くに撮る場所が無いかと考えたのだ。
 そのポイントまでは徒歩10分もかからない。MAPアプリなどで花火の出る位置を現地で割り出し、絵になるかどうか検討。GPSのおかげでその撮影場所にいながら立ち位置を決められるのがありがたい。結局、PMと花火の終了が18時40分と最短の海浜公園まで移動するにも厳しいスケジュールだったのでこの下見が効いた。片付けて予定ポイントに立つと18度48分。これが重要。10分前の50分にお知らせの雷が上がるので、それできっちり花火の射出位置というか台船の位置がわかるからだ。
 すると計算通りにザ・タワーズダイバとシーリアお台場の2対2組のタワマンの中間から上がってよっしゃー。花火との間合いは2キロメートル足らずで初回と同じくらい。この左側のタワマンは初回の時に入れた建物より背丈があるので花火の開花位置もこんなものかな。
 残念ながら予定では対岸で撮るつもりでのレンズ構成。つまり望遠側に手厚くしたため、PMを接近で撮るレンズでは遥かに足りず、望遠では長過ぎるというわけで、最適は85ミリくらいだったが手持ち無し。もう少し引けるとアニヴェルセル東京ベイという結婚式場がもう少し多く、そして下に車の光跡も入ったんだがなぁ。ともあれ移動時間が限られている中でプロジェクション・マッピングアワードとレインボー花火のはしご観覧は無事に成功したわけで良かった。
 撮影場所近くのフードコートで夕食してから帰る。日中の事故の影響か、まだ列車ダイヤが乱れている感じだった。

   
12月23日
  
  
 さて4回目にしてようやくお台場定番ポイントにやってきた。ここも打ち上げ場所が変わってからそれまでバランス上で使えなかった場所を開拓したポイントだ。
 秋葉原で買い物などをしてから台場に着くと昼ごろだった、しかしそれで早すぎることはなく、デックス東京ビーチの4F通路の撮影ポイントはとっくに三脚がいくつも在った。これはもう早朝から居るのだろう。花火が10分間ということを考えると凄いことだ。それでもそこに好きな場所を確保しようと思えば十分可能だったが、ざっと見てやはりパス。ここはつまり、あまりに多くの要素が入り込み過ぎる。レインボーブリッジ、屋形船、夜景に巨大クリスマスツリー。その周りの木々のイミルーション、観客その他その他、満艦飾だ。見えている物は全て画面に入れたくなるもの。すると花火は極小さく、それは花火はおまけのお台場の夜景写真にしかならない。だからそのことが苦手でレインボー花火が始まって以来、私は一度もここで撮っていない。
 私の予定地はまだガラガラだったのでほぼ一番乗り。三脚を置いてからデックス東京ビーチ内のレストランでレインボーブリッジを眺めながらゆっくりランチと昼ビール。安めのセットのランチだが、眺めが素晴らしいから気分はラグジュアリー。
 暖かい一日との予報で都内は自宅周りよりポカポカしていたが、屋外で時間を潰すには寒い。それで建物内に入ってベンチで過ごしていた。夕刻からは撮影場所に移る。すると知り合いの写真家さんがまたまた隣り合わせに来ていたので、それで歓談にお付き合い頂き、長い待ち時間を有意義に過ごすことが出来た。
 18時をまわると次第に屋形船も集結していつもの煌びやかな光景が拡がっていく。煌びやかだけど、花火に対しブリッジと屋形船と背景の夜景、と要素が絞り込まれるので花火がメインの絵になるから気に入ったポイントだ。ずっと以前なら屋形船は「風情」とか「情緒」なんて言葉が似合っていたが、昨今のとりどりのLEDをまとったそれは、カラフルで光量も強くそんな大人しい表現は似合わないけど美しく華やかだ。
 予報と違って風向きは少々悪く、煙が浮き気味でしかもブリッジ方向に流れてクリア感は削がれた。23日の本日はクリスマス特別仕様なのか、全編ミュージック花火仕立て。デックス東京ビーチの3階通路にいくつもスピーカを設置してかなりの音量で音楽を流した。定刻になると花火先駆けて音楽がスタートしそれからそれに合わせるように打ち上げられた。花火内容はこれまでとほぼ同じだが、PAに予算を取られているのか、ラストの銀一斉が端折られていた。
 戻りのゆりかもめ線はさすがに何台か待たないと乗れない感じだった。新橋駅近くで夕食して帰る。
 
   
12月30日
  
  
 お台場で見るつもりだったけれど、風向き予報から対岸にせざるを得なかった。打ち上げ場所が変わる以前の2013年に開拓して初めて撮った竹芝桟橋から狙うことにした。ここはお気に入りだ。対岸で立ち入れない日の出、芝浦、品川の3埠頭を除けば、いい感じに撮れる。お台場ほど熾烈な場所取りがないので、自宅を出たのも15時30分と遅い。それでも現地で2時間近くの待ち時間になる。三脚を置いた後は近くのビル内に入って暖かく待機。
 開始間際になると訪れる人もまばらなところに急に見物人が集まってくる。ここに立つと花火の出所、つまり台船の係留位置は微妙に毎度違うことがわかる。昨年もこの場所から撮っているがだいぶ打ち上げ位置が違っていた。30分前と10分前に雷が上がるが、5分前・・・30秒前などと、フジテレビ社屋のイルミネーションを使ってこれを知らせる表示が出ていることに気がついた。しかし本番の秒読みは無しだった、と思う。昨2016年の大晦日はスペシャルな打ち上げだったけれど、今年の最終日は23日を除く他の開催日と花火内容は同じだった。23日だけミュージック花火仕立てだったので少し構成が違っていただけだった。
 片付けてすぐゆりかもめに乗るが満車状態。花火の見物客ではなくビッグサイトでのコミケ帰りの客がまだ続いているようだった。上野駅で夕食して帰る。
 さて近年はカウントダウン花火には出かけず大晦日は家族と新年を迎えることにしているので、この晩が2017年花火観覧の最後。今年も縁在って多くの大会が観覧できて幸せだった。新年はわからないけれど行ける範囲、可能な限り花火を楽しめたら、と思う。
 
 

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