花火野郎の観覧日記2016

観覧日記その9 5/14
第35回 逗子海岸花火大会

  
神奈川県・逗子市


撮影地近辺からの眺め

葉山側からの3隻の台船配置

10号台船のアップ
筒に角度が付けられている

撮影場所から

葉山港湾食堂で岩のりしらす丼と
餃子をいただく

グランドオープニング

  

  

グランドフィナーレ

グランドフィナーレ
   
 当日になっても強めの南西の風予報は変わらず、これは初めて風上の反対側の観覧もありか、と事前にストリートビューなどで予習しておく。候補地一帯までは距離があるので最寄りの逗子駅からはバスを利用した。隣の鎌倉駅からは散策にさんざんバスを利用したけれど逗子駅では初めて。駅前で路線系統を調べてなぎさ橋を渡る辺りまで乗車。
 橋を渡ったところのなぎさ橋珈琲店から葉山マリーナ付近まで、県道207号線沿いに約1キロメートルを順繰りロケハンしてまわった。風は午過ぎの時点でやはり南方向と感じたが逗子海岸が風下というほどではない。
 逗子の花火は7月に開催していた頃からもともと逗子海岸が下手になる南や南西の風向きが多く、その時は葉山港の方の裏側から観るのだと聞いてはいた。もっとも裏と言っても完全な裏は沖合洋上になるので陸地ではせいぜい斜め後ろくらいだ。なぜ葉山方向限定かというとそっちが風上であることが多いというのもあるが北側の半島部分、大崎公園や披露山公園があるあたりは、海岸線の道路しか視界がないが、車が頻繁に通る海沿いには歩道もない。つまり観覧場所がない。山の上の方も台船どころか海岸が見通せる場所がないのは、既に以前ロケハン済みだ。私が過去に観覧した限りではメインからで風向きも問題なかったため、葉山方向を検討した事もなかった。しかし今回は予報通りならそちらが風上。現地の実際の風向きはともかく、初めて裏手をロケハンしておくのも悪くないと考えた。
 海沿いの浄水管理センターの南側に小さな浜辺があって、そこから初めて3隻の台船が見えた。「なるほどこんな風に見えるのか」と砂浜に降りてロケハン。けっこう近いものだな。この辺りも悪くない。メインの海岸から観ると台船はけっこう沖合に見えるが、葉山港まで達しないこの位置で既に斜め方向から10号台船の裏側が見える。これで海岸から観た感じと合わせてだいたい台船の配置や距離感が把握できた。
 葉山マリーナに向かう測道に入り、海辺を歩きながら観覧候補地を探す。とりあえず港からみの海辺の駐車場の一角に三脚を仮置き。途中でよさげな食堂を見つけたので遅い昼食にしてひと休み。
 食後は港一帯や多くの陸置きのクルーザーヨットが並ぶセレブなマリーナ脇をロケハン。近くには市営駐車場があって車で来るのも便利そうだけれど、私の自宅からここまでは高速等をつかうとけっこう費用がかかる。1本で来られる電車利用がやはり便利な地ということになる。
 ロケハン中に知り合いの愛好家が既に陣取っている一帯があり、まだ空きスペースが残っていたので三脚を移してご一緒する事にした。周りは一般の見物客も入るようで場所取りしているシートもいくつか。今回の撮影場所も仮置きした場所もストリートビューで歩けないエリアだし、空撮のマップでは高低差もわからない。だからやはり実際に足でロケハンしてみないと、初めての場所であればなおさら良い撮影ポイントは見い出せないものだと思った。
 メイン側から観ると3隻の台船は真ん中の10号台船を沖の頂点に二等辺三角形に碇泊している。裏手側からでは10号台船が一番左、他が右側に続き真ん中が一番奥。10号台船までの距離は観覧場所から推定650メートルくらいと思われる。一番右手前で近い側の台船まで500メートル。一番遠い台船まで800メートルくらいか。
 午後は先着の愛好家氏たちと歓談して過ごしていたが、風向き予報のせいか、他の知り合いの愛好家が次々同じ場所に到着するので、皆さん風向きを気にしているのだと思った。いやそもそも平日開催なのに出席率が高すぎ!待ち時間に付近の撮影場所になりそうなポイントをCheckしておく。
 風は日中から夕方まで南方向。風速は夕刻には10メートル前後に達し、マリーナに置かれたヨットの無数のマストから常時風を切る音やカラカラとステーがマストを叩く音が絶えない。並べられた中でストーンバッグを施していない軽めのカーボン三脚の脚が浮くのを何度も目にした。裏手はほぼ順風なのはいいけれど、陽射しが強い日中でも風を浴び続けていると寒くて消耗する感じで、時折、風がよけられる場所に非難して過ごした。夕刻から若干西成分が入って、打ち上げ中は南南西くらいか。15時30分と18時に定時雷が上がったが、最初は真後ろに流れる順風。2度目は煙が発射位置より若干右につまり西風に押されて流れていた。だからメイン会場の逗子海岸も予報のような風下直撃というわけではなく、結果的には表も裏もまずまずだったわけだ。海岸では風が強かったから砂が飛ばされて難儀したようだ。しかしこの止まない強風のせいで手も冷えて、6月というに使い捨てカイロを(ちゃんと持っているのだよ)投入。
 葉山側からではさすがにアナウンスもなにもまったく聴こえないので時間だけが頼り。オープニングの中で10号が打ち上がると「あれ?」。風向きに逆らって曲導が沖側、つまりこちらから観て左方向に斜めに昇るじゃないか。そしてそれだけじゃなく、以降の10号台船、他の台船も号数の大きい玉は、全て沖に向けて斜めに曲導が延びた。それである確信を得て、日中にコンデジで撮影しておいた各台船の写真をアップで見てみると、やはり。全ての打上げ筒が若干の角度を付けて最初から沖に向かって斜めに設置されているのだった。諏訪湖の初島仕様というわけか。葉山側から見るのが初めてなのでこれが例年の仕様なのか、この日限りのものかはわからない。
 撮影体勢はカメラ1台のみ。レンズはどういう場所になっても(近すぎても)大丈夫なように16ミリからの広角ズームを入れて2本持ってきた。使用したのは保険をかけてその16ミリからのズーム。そこまで広角でないと10号の天地が入りきらないわけではなかったが、結果として保険が効いたのは、10号が斜めに飛んで射出位置より左に逸れて開花する分、縦位置の時の左右の余裕が必要だったから。
 肉眼で見るとかなり斜めに飛んで行くのだが、写真上は斜めにはなっているものの見た目ほどではない。それは広角のゆがみで若干緩やかに見えるのだ。
 逗子海岸側の前の二つの台船からは、各種の曲打ちが放たれるが、こちらは完全に裏側ではなく、斜め後ろくらいの位置なので扇形に拡がる星や玉もスポイルされる。それはやはりメイン海岸から見てベストなセッティングになっているわけだから仕方ない。そんなことより足でロケハンして新しいアングルから観て撮れた今日一日に撮り手としては満足。
 帰りは県道が渋滞してしまうのでバスは通っているものの所要時間が読めない。それで京浜急行の逗子駅まで歩くことにした。葉山方面からだと京浜急行の方が近い。で20時53分発の急行に乗り、横浜で湘南新宿ラインに乗り換えて帰宅。
    

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