花火野郎の観覧日記2015

観覧日記その16 8/15
赤川花火記念大会

  
山形県・鶴岡市

 新潟回りで鶴岡入り。新幹線がもうすぐ新潟駅に着こうか、というところで車内の電光板に運行ニュースが流れる。「大雨のため羽越本線が上下線とも運休」「きらきらうえつは終日運休」・・・。羽越本線って・・・・これから乗り継ぐ特急「いなほ」じゃないかようっ。
 こんな新潟近くまで来て・・。直ぐに鉄道に詳しい愛好家仲間に電話で善後策を相談。その氏も14日の男鹿日本海花火観覧の翌日、秋田駅でいなほに乗ろうとして駄目になり、現在タクシーで鶴岡に向かっている車中ということだった。代行バスとかが出るはずだから・・ということ。無事にたどり着けるのか俺。
 とりあえず新潟駅の在来線乗り換え口で駅員に尋ねると、特急「いなほ」は行き先を鶴岡までのだいたい中間の村上までに変更、村上駅から代行バスが出るとのこと。
 「いなほ」は10分ほど遅れて新潟を出たものの、村上駅に着くまで何度となく「この先が大雨のため運転見合わせ」で停止し、30分近く遅れて村上駅に着く。駅前ロータリーには5〜6台の大型バスが既に待機していて乗り継ぎはスムースだった。酒田直行便、余目・鶴岡直行など方面別に分かれたバスに誘導されて鶴岡を目指す。お盆も重なってか「いなほ」は満席状態で、代行バスも補助席まで満載。いささかその密集度に疲れた。鶴岡まで途中休憩無しで1時間40分ほどかかり、14時に鶴岡駅到着。運休が無く予定通りに着いた場合と比べてトータル1時間15分ほどの遅れで済んだのは幸いか。早めに出てきて良かった。
 バスを降りたらその場でもう西の風で、これは今夜は西の神風という予報は本当かも知れない。駅構内は切符の払い戻しの客でごった返していた。後で聞くところによると、タクシーはもちろんレンタカーやヒッチハイクすら駆使して電車組の愛好家氏たちはなんとか鶴岡にたどり着いたようだ。しかし各人の到着までの工夫と苦労は報われる事になる。この日は万難を排してでもなんとしても観覧にこぎ着ける、それだけの価値のある晩になったのだから。
 大会本部近くの堤防道路まで来てみると、打ち上げ方向に向かえば背後から堤防を過ぎる西風順風。このままいけば最高なのだけれど、日中はそうでも夜は、という赤川を何度も経験しているからそう簡単には喜べない。今後の予報を現地で見ても、逆風気味になるのは花火が終わるくらいの時間。例年の風向きなら迷わず対岸、と決めて来たけれど、これならメイン会場で普通に観覧できそう。
 本部に続く堤防道路上の撮影者席エリアは夕刻から入場が始まり、たちまち三脚の長い壁が出来た。本当にこの風のまま一瞬で夜にならないかと切望するくらいの風向きだった。私のカメラは2台で単純に縦位置、横位置用。横の方は当然ながらワイド打ち用であり、最大広角レンズ装着。縦の方は割物とデザイン花火全般。ワイド系の押さえの同時撃ち用。天地はともかくここのワイドを縦で撮っても真ん中辺りの一部か写らないからオマケのようなもの。立ち位置としては、撮影列の一番左側。前には有料席だけが見えるくらいの所。本部席近くだと、手前に売店のテントが位置して、前景として良いのだけれどそれがあるが故に画面に入れたくなる。すると横位置で広角を使ったときに画角の天地が足らず上が見切れてしまうのだ。
    

プレオープニング

オープニング・堀内煙火

オープニング・堀内煙火
 

オープニング・堀内煙火

オープニング・堀内煙火

オープニング・堀内煙火

合併・市制施行10周年記念
山河に轟く尺玉100連発
片貝煙火工業

合併・市制施行10周年記念
山河に轟く尺玉100連発
片貝煙火工業

合併・市制施行10周年記念
山河に轟く尺玉100連発
片貝煙火工業

合併・市制施行10周年記念
山河に轟く尺玉100連発
片貝煙火工業
  

割物・思い出のピンクのガーベラ
株式会社イケブン
 

割物・昇り分砲付四重芯菊先青紅銀乱
有限会社伊那火工堀内煙火店

割物・昇曲導付八重芯パステル牡丹
株式会社斎木煙火本店
 

割物・紫映鏡華
株式会社斎木煙火本店
 

割物・昇曲付四重芯変化菊
有限会社菊屋小幡花火店

デザイン花火
レイニーブルー
有限会社片貝煙火工業

デザイン花火
風・株式会社佐藤煙火

デザイン花火
フラメンコ Ah go go!
有限会社篠原煙火店

デザイン花火
Swing with colors
株式会社マルゴー

デザイン花火
Swing with colors
株式会社マルゴー

希望の光・堀内煙火
  

希望の光・堀内煙火

希望の光・堀内煙火

希望の光・堀内煙火

希望の光・堀内煙火
  

希望の光・堀内煙火
夢の競演

割物・赤川の大桜
有限会社篠原煙火店

割物・昇り曲導付四重芯変化菊
新田煙火店

割物・昇り曲導付三重芯錦冠菊
新田煙火店

割物・幻想イルミネーション
野村花火株式会社
 

ドラマチック花火・怪盗ハナビ現る
磯谷煙火店

ドラマチック花火・怪盗ハナビ現る
磯谷煙火店

ドラマチック花火・怪盗ハナビ現る
磯谷煙火店

ドラマチック花火・怪盗ハナビ現る
磯谷煙火店

ドラマチック花火・怪盗ハナビ現る
磯谷煙火店

ドラマチック花火・怪盗ハナビ現る
磯谷煙火店

エンディング
「for you〜君に贈る未来〜」
野村花火工業

エンディング
「for you〜君に贈る未来〜」
野村花火工業

エンディング
「for you〜君に贈る未来〜」
野村花火工業

エンディング
「for you〜君に贈る未来〜」
野村花火工業

エンディング
「for you〜君に贈る未来〜」
野村花火工業

エンディング
「for you〜君に贈る未来〜」
野村花火工業

エンディング
「for you〜君に贈る未来〜」
野村花火工業

エンディング
「for you〜君に贈る未来〜」
野村花火工業

エンディング
「for you〜君に贈る未来〜」
野村花火工業

エンディング
「for you〜君に贈る未来〜」
野村花火工業

エンディング
「for you〜君に贈る未来〜」
野村花火工業

エンディング
「for you〜君に贈る未来〜」
野村花火工業

エンディング
「for you〜君に贈る未来〜」
野村花火工業

エンディング
「for you〜君に贈る未来〜」
野村花火工業

エンディング
「for you〜君に贈る未来〜」
野村花火工業

エンディング
「for you〜君に贈る未来〜」
野村花火工業

エンディング
「for you〜君に贈る未来〜」
野村花火工業

エンディング
「for you〜君に贈る未来〜」
野村花火工業

エンディング
「for you〜君に贈る未来〜」
野村花火工業
   
 開始の19時になると、カウントダウンからのオープニングの前に、プレオープニングというか、20発ほどの打ち上げが10分間ほど挟まった。食前酒というか本番を観る期待と心の臨戦態勢が高まる前奏曲。そして堀内煙火によるオープニングから会場幅一杯のフルワイドとなりさらにいきなり中盤に二尺玉入り。「最初から観客の度肝を抜く」という意図が明確なアクセル全開仕様で始まった。二尺はセンターから上がる巨大な万華鏡で見事な開花だった。
 本番の開催時は日中のような順風ではなかったが、煙は十分花火の背後に流れるコンディション。この赤川では、きっちり真後ろからの順風の条件でなくても、僅かでも風が斜め背後に抜けてさえくれれば、本来の素晴らしい花火が観られるのだ。
 夜は南南東くらいの風で、川の下流から僅かに上流側に斜めに吹く風。これだけで見栄えが全く違う。完全逆風の2014と比較してなんという好条件か。これで9割ほどのプログラムがほぼ完全に見えた。残念ながらエンディング花火を迎えるあたりで西風が入り、南南西くらいに風がまわった。向かって左側の打ち上げ空間に斜め後ろから差し込む風だ。
 花火はもともと素晴らしい内容だ。だから昨2014年のような劣悪なコンディションになるだけで全てが台無しになる。そして今回のようなコンディションなら全てが肯定される。この条件なら何も多く語り、論じる必要もない。だから今回は花火について多くを書かない。
 オープニング、10周年記念花火、希望の光、市民花火、エンディングと豪華ワイドプログラムはどれもが言葉に尽くせない内容だった。希望の光では昨年同様に5発の二尺玉が放たれた。これに対し本割りである競技部門がバランスからいえば若干パワーが落ちた感じに受け取れたし、事後の大曲に備えているのか出品作によっては参加しているだけでやる気が無いように思えた。特に10号割物は大御所の名煙火店がことごとく多重芯を崩すなどふるわなかった。また2玉上げるものの、目立って新しい玉が少なかったようだ。デザイン花火でも目を引く構成や玉が控えめなように感じた。だから競技部門の結果は、誠実に良い割物を上げ、目覚ましいスターマインを放った業者に落ち着いた妥当なものと考える。
 前方遠く、しかも目隠し柵の向こうの一般客の様子はわからないが、堤防上の撮影者列のどの顔も興奮して満足げだ。過去に一度良好な風だったことがあるらしいが、私はその時を見ていないので自分が1999年に見始めた赤川観覧史上では初めての好コンディションということになった。往路には思いがけない難儀をしたが、我慢してたどり着き、観覧を果たせて良かった。消えていった無数の花火の星の一粒にまで感動を感謝したい晩だった。

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