花火野郎の観覧日記2014

観覧日記その23 10/18
ふじさわ江の島花火大会

  
神奈川県・藤沢市


細かった突堤が

ババンと広く

   


20号・八重芯錦冠先橙点滅

20号・緑芯錦冠先色蜂
  
 昼過ぎまで仕事だったので、それから湘南新宿ラインを使って、鎌倉から江の電に乗り継ぐ。江の電鎌倉駅構内は改修されていて驚いた。鎌倉関連物産販売店が連なるエリアにセブンイレブン構内店が合体して綺麗な一角が誕生。それにしても昨今は平日でも混雑している鎌倉のそれも土曜日なんだから半端無い。江の電鎌倉駅ホームはみっちりの客で埋まっていた。途中の駅から乗り込んでくる客も加わり電車内も通勤ラッシュ並の混雑。目的地の腰越漁港に着いたのは15時くらい。素晴らしい快晴で陽射しもなかなか強い。
 この場所は20号台船まで、約1,300〜1,400メートルと遠いが、とにかく帰りの脱出が速いのがいい。腰越駅まで3分程度だ。腰越駅は単線部分なので、藤沢方面と鎌倉方面が同じホームに交互にやってくるのが特徴。漁港の江の島側にある突堤は撮影場所によく使われている。まずはそこに向かうと見違えるほどに改修されていることに気が付く。後から愛好家氏に聞いた話では、昨年は工事中とかでこの突堤は立ち入り禁止だったという。
 ここは以前にも撮ったことがあるが、とにかく細いというか幅が狭かった。人がひとり通れるくらいで、船着き場も兼ねているので、釣り客がぞくぞくと戻る夕刻になると行き交うのも海に落ちそうで怖い感じ。海に張り出しているので、撮影には目の前が砂浜じゃなく海面になっているところまで出たくても前後が直ぐ海だから夜は怖い。三脚込みだとさらに狭くなるので先の方まで行ったことがなかった。前が砂浜の場所だと、そこの波打ち際の目の前に三脚を立てられたりするのであまりよろしくない。しかし改修された同じ場所は、幅が広くなり、江の島と反対側には丈夫な柵もできていた。陸から離れるように先に出てもコンクリの壁と柵に護られているので安心感大である。そこの目の前から海という場所にとりあえず三脚を置いて確保。その時点で三脚は5脚くらい。突堤の先端には小さな灯台と広場があるがそこからの眺めも良い。しかし突堤の途中から、縁が人の背丈くらいの高さになるので、その区間は江の島方向の視界が無いので使えない。上に登ればいいが手すりもないから怖い。
 漁港内はほかにもあちこち防波堤などを改修中で全体として大分景観が変わっていた。その一角でしらすを釜揚げにしている場所があるが、今日はその天日干しに加えて、畳いわしを干しているのを見ることができた。ここの作業は近くにあるしらす料理店と直結なのだが、店に行ってみると午後の遅い時間なのにまだ外で順番待ちの行列ができていたので、花火後に食べようかとりあえずパス。あとは他に撮影に使えそうなところは無いかと近場をぐるりとロケハンしたり日陰で休憩したりで過ごす。16時をまわると知り合いの愛好家もぞくぞくとやってきたので歓談で待ち時間を過ごす。
 誤算だったのは、江の電鎌倉駅で当然手に入ると思っていた花火大会プログラムがそこには全く置いてなかったこと。腰越駅は手狭なので当然無い。近くのコンビニとか探したけれどどこにもなかった。あとで知り合いの愛好家氏に写させてもらおう考えていた。すると後で合流した愛好家氏から余分が在るということで分けていただいたのでありがたかった。なんでも隣の江の島駅構内には在ったらしい。まぁここは鎌倉市であって開催地の藤沢市じゃないからなぁ。しかし確か以前は鎌倉駅で手にしたような気がするのだが。
 現着時には数えるほどだった三脚も17時を回る頃には、ずらりと壁状態に。いつの間にこんなに集まったのだろう。開始20分前。もう辺りはしっかり暗い。潮風避けのレンズキャップをいよいよ外す。とその時、花形フードの端にキャップが当たり指先からポロリ。ヤバイ、と思った時には防波堤の縁に落ちて、まぁこういうときはそうなのだけど、手前に跳ねれば足下に落ちるが、向こう側に行ってしまうものなんですねー。ワンバウンドして海中に落ちた。潮が引き始めているそこは半分砂が出ているような状況だったけれど、懐中電灯で捜索すると引き波にプカプカ浮いていた。砂地に寄せられれば後で回収と思ったが、しばらくしてまた見るともうどこかに消えていた。この突堤沿いには近くの川からの水が流れ込んでいるので、引き波だけでなくその流れに押し流されたか。こういう場所ではカメラ用品の落下には気を付けているつもりだが、こういうこともある(後日お買い直し)。両脇におられた愛好家の皆様、開始間際にお騒がせして申し訳ない。
 北東という予報だったが、顔に感じる風はどうにも南西気味。江の島から右に向かい途中でこちらに差し込んでくる風。余りよろしくない。まぁ帰りの事を考えて、向かい風以外はどうでもここで撮るんだけど。今日の風だと江の島へ渡るといいかもしれない。しかしそれをやると混雑で家まで帰り着けない。
 大会が始まってからも風も弱く滞留気味だった。だから全体に何をやってもモヤモヤだった。音楽付きでワイド打ちなど見所はあったが、そうした部分もほとんど撮ることはなかった。二カ所打ちの双方がけっこう離れて見えて、縦位置か横位置か迷う所だった。そうしているうちに左右に斜めに打ち飛ばす演出などもあり、カメラ1台なものだから立てたり寝かしたりと変えて撮る。いっそのこと全部横でいいかもだ。2台在れば20号専用機として縦位置固定でいけるなぁ。多重芯の逸品もいくつか披露されたが煙に阻まれてすっきりは見えなかった。
 腰越から見ると、10号、20号を載せた台船はけっこう右側に見えるというのを学習済みだから20号の出所も間違わない。あとは打ち上げのタイミングだけだ。なにしろ見た目の花火だけが頼りで、プログラムも正確な打ち上げ時刻が掲載されていないし、進行アナウンスは何を言っているか判らない程度にしか聞こえない。
 20号1発目は贅沢にも八重芯。明るめの緑から紅、錦先オレンジの点滅と、どの現象も堀内煙火カラーで綺麗な盆だった。Vトラ打ちをふんだんに交えて星打ちも華やかなワイドが何度も繰り返されて良かった。もう少し視界がクリアーならなぁと残念。しかし一昨年と違って目の前から海面なので、映り込みも美しくいい光景ではある。フィナーレの錦冠猛爆のあおりで、最後の二尺玉も煙幕の向こうだった。高い爆芯の位置は綺麗に見えるものの、引き足の大部分が煙の向こうで冴えなかった。
 終了後速攻で片づけて、途中から駆け足で近くのしらす料理専門店へ。これがこの花火大会の楽しみのひとつだもの。幸いに入店するとまだ空いていた。そして注文を出し終わるかどうかというタイミングでぞくぞくとお客が入って来てたちまち満席になった。食べ終わって外に出ると行列になっていたのでびっくり。
 昨年は仕事で来られなかったから、当然しらす丼も無し。2年ぶりのご対面。相変わらず釜揚げと生しらすの二色盛り。それに沖漬けしらすを加えて、地ビールの「鎌倉ビール」を奢った。しらすを頬張りビールで流し込む。やはりごちそうだ。埼玉では生のしらすはまずこの鮮度ではいただけない。
 鎌倉発19時55分の湘南新宿ラインで帰途に。花火のコンディションはいまいちだったけれど、美味しいものを食べられて満足だった。

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