花火野郎の観覧日記2011
観覧日記その3 7/16
第63回小川町七夕まつり花火大会
埼玉県比企郡・小川町

七夕かざり |

七夕かざり |

裏通りの七夕かざりとぼんぼり |
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槻川と相生橋(約30年前)
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槻川と相生橋(現在)
遊歩道が設けられている |
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仙元山中腹の打上場所から
定時雷の発射 |
小川町は「和紙のふるさと」と称して、手漉き和紙が名産の町だ。
夏に行われるこの「七夕まつり」土日の二日間開催で、特産の和紙をふんだんに使用した七夕飾りが町内目抜きの通り沿いに色とりどりに飾られて賑やかだ。期間中は多彩なイベントが用意されているが初日の夜に花火大会が行われる。
駅前ロータリーから目抜きの商店街の道すがら、はやくもその両サイドから折り重なるように掲げられた七夕飾りが連なっている。辻ではお囃子が奏でられ飾りをかいくぐるように通りを進む。七夕飾りが連なる表通りから一歩路地に入ると、少しひなびた懐かしいような町並みがいい感触だった。
裏通りの商店では切り分けたスイカを提供し、店先の縁台でそれをほおばる観光客と、ほっとするような日本の夏の光景だ。裏路地に入っても、それぞれの家ごとに七夕飾りを出していたり、区域統一の手描き絵に飾られたぼんぼりを道ばたに並べていたりと祭り風情が溢れている。
小川町自体は過去二度三度訪れているが、花火大会に来るのは初めてだ。七夕の時にも来たはずだが昔のことで記憶が鮮明ではない。
同日開催の多い日では、近くとはいえ小規模の花火大会は優先順位が下がってしまい、住処と同県内でありながら花火観覧に多く出かけるようになってからは開催を知っていながらも一度も訪れたことがなかったのだ。今期、遠出は節約という事情になってようやく観覧の機会を得たわけだ。
ロケハンで町をあちこち歩くと過去の記憶の光景と重なる場所がいくつかあった。記憶といっても過去に町の写真もあちこちで撮っているのでその映像として記憶している。町の南部には槻川が流れているが、現在はかつて自然の川岸だったところの一部が自然石を使用しながら綺麗に整備されて、遊歩道が設けられた憩いの場に変貌していた。水量が少ないときならば、飛び石などを利用して川を横断できるようになっている。見た目では流れる水も綺麗で、遊歩道で水浴びをする地元客、観光客も数多く見られた。
その槻川に架かる橋の上から、打ち上げ場所は「仙元山中腹の見晴らし公園」と駅前の案内テントで聞いていたのでその方を見る。中腹には木々の合間に背の高い櫓というか展望台が立っていてそこを双眼鏡で見ると花火筒は視認できないものの作業をしている何人かの人が見えた。と、双眼鏡の視野の中でしゅばっと煙が上がる。「定時雷だ」と肉眼に戻すと果たしてドンドンと雷が開き、まさにそこが夜の打ちあげ場所である確認となった。15時の雷だった。3号雷と確認して上がる高さをチェック。
それからその展望台を中心に長らく撮影場所を求めてロケハンすることになる。徒歩で6〜7キロ歩いたろうか。つい先日までの酷暑であったなら当然ぶっ倒れているところだが、快晴であるにもかかわらず今日はさほど暑くないので楽だった。しかしながら小川町らしい、とか七夕風情のなにかと花火を絡められる場所がなかなか見つからない。
帰宅にかかる頃の東武線の上り方面の本数も1時間に2本程度と多くないので、駅に近く直ぐに帰れるような槻川に渡る相生橋のたもとを観覧場所にした。すると山の中腹までの距離は1キロメートルを超える。間合いとしてはとんでもない長距離となってしまうが、駅に近い目なこと、仮設トイレが近くにあること。なにより橋の欄干に放送用スピーカーが設置されていて、大会進行アナウンスがよく聞こえることがメリットだった。
川縁の遊歩道に降りるスロープを安全に照らし出すための投光器がご迷惑だが、花火とは反対の背後からなので問題ない。いやむしろ圧倒的な光量に膨大な虫を呼び寄せてしまうのが難点か。夕刻ともなるとスロープから川岸の遊歩道あたりは花火の見える絶好の夕涼み場所とあって観覧客で埋め尽くされた。
打ち上げ時間は19時15分から20時30分と長い。実際には20時40分頃終わったので長丁場だ。開幕で10号。わかってはいたが「………遠い。小さい」。絵はレンズで寄せられるものの体感としては………。
花火は4〜5号と10号。プログラムの殆どは、4号5発打ち、4号10発打ちなどの単発中心。5号は2割程度。10号は20発ほど。提供を読み上げ、単発打ち、「ただいまの提供は………でした。」というワンセットをプログラム56番まできっちり繰り返す。
途中と終幕に数の多いスターマイン。まず15分で内容が一巡するので、最後まで観ている客は少ない。私の周りでも30分しないうちにどんどん帰って、また新しい客がやってくるといった具合。私も間合いと玉のサイズ的にも少々大きいスターマインと10号以外は撮りようもなく眺めているだけだ。
涼しい目とはいえ日中歩いてのロケハンと七夕飾り見物がたたってか、観ていて眠くなってくる。ハシハシと緊迫感に包まれての打ち上げと忙しい撮りでもないので良くいえばの〜んびり。
装備はデジタル一眼レフにカーボン脚と軽め。撮りとしてはズームの望遠側に寄せていくほど距離があり絞りも落ちる。前方にいくらか民家があるものの他に灯りがなく、案の定空が完全に闇に落ちると花火以外に写る物がない。これはロケハンしたいくつか他の撮影ポイントもそうだが花火以外に何か「らしい」物が写る場所が無かった。七夕飾りも内部から電飾が入るのでそれなりの前景と考えられるが、町内の道幅も狭く飾りと夜店が混在して客がごったがえす中での撮影は無理。しかも七夕飾りのあるような町の中心部は打ち上げ場所から最低でも1.5キロは離れているのだから、山の中腹から打ち上げるとはいえさすがに4〜5号中心では花火が上に出ない。全てが10号でもやっとだろう。町内どこからも見えるかもしれないが、どこからもみても小さく遠い。だいたい打ち上げ地点の仙元山中腹の見晴らし公園は、この見晴台に登っていく道の入り口の小川和紙資料館あたりからでもすでに600メートルある。笑ってしまうほど遠い。中心部から外れて比較的打ち上げ地点に近い小川小学校や小川警察署からでも800〜1000メートル以上も離れているのだ。このあたりもロケハンしたが、日中では風下だったので候補から外した。
打ち上げ中の上空の風は東北東方向で、観覧地点が南南西側とすごくクリアというほどでもなかった。
終了のアナウンスを聞きながら手早く片づけて見物客を縫って駅に向かう。殆どが地元の客なのだろう駅にも混乱無く普通に入場できたし、小川町からは2〜3駅過ぎるとたいがいの客は降りてしまい、私のように川越まで乗る客はほとんど居なかった。
この打ち上げは「七夕まつり」に付随した花火大会なので、祭り予算の全てが花火に注がれる納涼花火大会とは違う。したがって柏崎〜豊田〜長岡〜袋井など有名花火大会を梯子するような愛好家や、有名煙火店や芸術玉にこだわる方々にはまず満足できないと思うのでお薦めはしない。観覧記は私が観た記録であってお薦め花火大会リストではないからだ。埼玉の小京都で七夕まつりと花火、双方の風情を楽しみたいかたは一度出かけられると良いだろう。小川小学校や小川警察署、小川和紙資料館の近くから見ると比較的花火を大きく観ることができる(アナウンスは聞こえない)。
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