花火野郎の観覧日記2011

観覧日記その9 8/27
東日本震災復興支援 松戸花火大会 イン 2011〜みんなであげる夢花火〜
  
千葉県・松戸市


スカイツリーと
隅田川花火第一会場

第1章 夜空を彩る夢花火
がんばれ東北!

第1章 夜空を彩る夢花火
がんばれ東北!

第1章 夜空を彩る夢花火
がんばれ東北!

第1章 夜空を彩る夢花火
がんばれ東北!---投光器が眩しいぜ

第1章 夜空を彩る夢花火
がんばれ東北!

第2章 川面を彩るパステルカラー
がんばれ東北!

第4章 松戸を彩る音楽花火

第4章 松戸を彩る音楽花火

第4章 松戸を彩る音楽花火

第4章 松戸を彩る音楽花火

第4章 松戸を彩る音楽花火
    
 初観覧だ。松戸市と対岸の三郷市と聞けば、私を含めた少し旧くから花火大会観覧をしている方には直ぐに「大江戸花火まつり」が思い浮かぶ。
 この大会は昭和58年から平成5年(1993)まで、フジサンケイグループの夏祭りと称して、三郷市・松戸市・フジサンケイグループの共催で極めて大規模な花火大会を開催していた。その模様はフジテレビで実況中継され、河川敷には特設ステージが設けられて花火をバックに生のコンサートが繰り広げられるという豪華さだった。当時の打ち上げ場所は現在のこの松戸市の花火大会のそれよりもう少し上流になり、花火は松戸側河川敷と江戸川を挟んで対岸の三郷側河川敷の両方に大量に並べられていた。末期の張り物のナイアガラは1キロメートルあり、川を横断して両河川敷に架けるという壮大なものだった。私はこの大会の全ては観ていないが、1/3くらいは観ている。おそらくは同規模同内容ではなかなか再現できない費用のかかった大会だったと言える(往時の花火写真は当HPのギャラリーや著書写真で見ることができます)。その大会が無くなってから松戸からみの花火大会に来たことがなかった。みんなであげる夢花火と称したこの大会があるのは知っていたが、他と重なる中でなかなか観覧するに至らなかったのだ。
 松戸駅からバスで会場入りしていた大江戸花火まつりと違って、現在の松戸市花火大会は、メイン会場まで徒歩10分程と近い。駅前からの道を堤防道路に突き当たればもうそこが会場のほぼ中間点になる。
 今日は都内では最大の集客の隅田川花火大会も開催される。そちらに引っ張られてさほど混雑はしていないだろうと午後3時着と遅めの到着だ。自宅を出るのも午を過ぎてからで良く、午前中は家事ができたりと時間が有効に使えるのでありがたい。しかし予想に反して観覧場所の堤防斜面は綺麗にシートが敷き詰められて場所取りされていた。花火は対岸の三郷側に設置されている。その分布状況を見ながら堤防道路に近い隙間に三脚を立てて開始を待つ。位置的には打ち上げ列に対し右斜めつまり上流側にハスの位置だ。打ち上げ正面は協賛者席となっている。
 通常ならここの風向きは下流側すぐ隣になる葛飾区の花火と同じで南側からになる。するとだいたい川に沿って三郷側から差し込んでくる。上流側ハス位置では完全に風下になってしまうところだ。しかしこの日は遙か沖合に発生中の台風12号の影響かどうか、安定した東からの風。松戸側の観覧場所は全域が順風となる好条件だった。ワイド列を縦で撮るためにハス位置を選ぶわけだが、なぜ風に対して同条件の下流側のハス位置ではないかというと、右方から狙うのが好き、という趣味と下流側は河川敷の木々がうっそうとしていて、殆ど打ち上げ場所と川面が見えなかったからだ。こうしたことも地図や空撮だけでなく現地で実際にロケハンしてみないとわからない。
 今週になってからは激しい雷雨を含めずっと天候が安定せず。松戸にしろ隅田川にしろ前日まで延期もあるのではないかという予報だった。幸いに青空と陽射しに恵まれて東風なら天候の悪化もなさそうだ。隅田川も珍しい東風の中の打ち上げが観られそうだ。
 花火大会の公式ホームページを見ると、会場案内図やプログラムといった掲載事項に続いて、「放射線量の測定結果について(松戸花火大会会場)」とあるのが、本年らしくもありいっこうに沈静化しない元凶を思い起こさせる。
「各観測地点での放射線量は、いずれの地点も、平成23年5月27日に文部科学省が示した福島県の学校等における放射線量低減策を実施する場合の指標(1時間当たり1マイクロシーベルト)を超過しない結果となっています」。と野外のイベントで観覧するお客に配慮したこうした措置は安心感がありがたい。
 愛好家仲間と合流して歓談しながら開始を待つ。地元客が繰り出してくるのはやはり18時をまわってからだ。緊急通路としている堤防道路も次第に客がその縁に座り込み始めるといつしか観客席になってしまう。大会中ふと気が付いて後ろを見ると、立って撮っているにも関わらず後ろにはお客がみっちり座り込んでいた。 
 本日も装備はデジタル一眼一発。小さめのザック一つで軽くなり、身軽に家を飛び出せるのがいい。仲間の分を含めて辺りには数えるほどの三脚が立っているものの、有名花火大会に見られるような壁にはほど遠い。
 開幕はいきなり地上からの扇打ちもあしらった最大幅のワイドで、これくらいだろうという予想を超えてはみ出していた。音響設備は良い方で、進行アナウンスはだいたいよく聞こえる。しかし艶消しというか「今時こんなことする大会がまだあるのか」と呆れたのは、客の頭の後ろになる堤防道路を照らすならともかくお客の目の前、つまり花火と視線の間に置いている投光器を付けっぱなしにしていたことだ。投光器の下に仮設トイレでも在るところならともかく、何も無いところも煌々と照らしたままで、その近辺に座った客は眩しくて花火どころじゃないだろう。映画館で言えばスクリーンの近くで照明を焚いているようなもの。唯一残念な運営だ。こちらもワイド側で撮影していると避けられず閉口した。写真では中途半端に画面外に外すと思い切りカブるのではっきり見えるくらい画面無いに入れた方がいい。
 さて、松戸の観覧場所から来年開業を控える東京スカイツリーまでは12キロメートル弱。松戸側から見れば小さくはあるがその勇姿を眺めることが出来る。今宵はその膝元で隅田川花火大会が開催されている。
 ちょうどこの土手からだと、角度の関係でスカイツリーと隅田川の第一会場の打上場所とがだいたい等距離、花火の方が僅かに手前と言った距離になる。つまり隅田川の花火とスカイツリーの背比べ、634メートルのスカイツリーに対して割物で4号の隅田川の花火はどこまで上がるのだろう?が客観的に見られる(ちと遠いけどその分見ためが正確かと)。
 「小っさ!」と思わず声が出る。小さいというより低い、だ。結果は写真のとおり(画像はスカイツリーが見える程に加工)。想定内だが地上から350メートルの高さにある第一展望台にも盆の上部(開花の最頂点)が達していない。思えば、スカイツリーの根本から10号を打ってもツリーの先端を越せないのだから当然か。スカイツリーより高く開く花火と言えば三尺玉以上。墨田区では無理ですはい。したがって来年開業となれば低い方の第一展望台からですら、隅田川花火大会の全ての打上は眼科に見下ろしと言うヘリコプター目線が得られるわけで、それも一興かと。一部の報道関係者はこの日スカイツリーの展望台から取材したらしく、果たして眼下に見下ろす花火の写真がネット上に掲載されていた。
 プログラムを見ればその構成の仕方で業者がわかる、というものだがプログラム誌のどこにも煙火店名は書かれていない。1時間の開催時間を約15分ごとに4つのパートに分けてテーマタイトルを付けてある。
第1章「夜空を彩る夢花火 がんばれ東北!」
第2章「川面を彩るパステルカラー」
第3章「花火で彩る夏夜景」
第4章「松戸を彩る音楽花火」
 しかしその1パートの中でどういう種類の花火が上がるかは不明。出てみなければわからない。だいたいの構成は1度か2度のワイド打ち。何度かの単基スターマイン。単発打ち。これらの繰り返しだった。打ち上げ中はほぼ切れ目がなく飽きさせない上げ方と言える。終盤は得意の音楽花火がフィーチャーされていたがかんじんの音楽の聞こえが悪かった。
 苦笑してしまったのは「クロセット星が好きなんだなぁ」というクロセットパレード。どこかのパートだけでなく全編ふんだんに何度も何度もとりどりのクロセット玉。いや、多いよ。私も好きだけど……。ひとつのパートの中でも玉の種類が二巡三巡してしまうくらいだから、同じモノを何度も見られるのは幸いかどうか。
 ここでは最大4号までとはいうものの、スターマイン系の主体となっているのは3号までで、比較的至近距離から観ている割には高さが出ていない。一度終了したかと思わせるほどの合間を空けてのフィナーレだったが、この煙火店得意の錦冠大量乱舞にしてもほとんど3号で、ワイドで打っているにもかかわらずボリュームが無い。最後にようやく4号を少し乗せて、同サイズ千輪の一斉に切り替わって終了。
 仲間と迂回ルートを探りながら駅に向かう。20時過ぎ終了で西日暮里駅で21時ちょうどという時間経過。遠回りに駅に向かった割には混雑もさほどではなく(駅構内は規制されていてそれなりに)スムースに帰れた。
 帰宅してから予約録画済みの隅田川花火大会を鑑賞。ビール片手に涼しいリビングで観る。観る場所の少ない隅田川はこれに限る?
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