花火野郎の観覧日記2008

観覧日記その6 5/11
くずうフェスタ花火大会
  
栃木県・佐野市

 本来の開催日10日の土曜はほぼ終日雨だった。とてもこれじゃぁ行けないなと午を回って問い合わせるまでもなく早々に不参を決め込んでいた。そこへ知り合いの愛好家から順延メール届く。
 旧葛生町が合併して佐野市となる前は工業山神祭と呼ばれていたイベントだが、合併後は葛生工業祭、今回より上記の呼び名に変わった。数あるイベントのうち、花火大会だけ翌日曜日に順延されたものの朝から引き続き雨で肌寒い。
 花火開始時の現地の気温予報は11度だった。用心して上着を「しっかり温かい」と「そこそこ温かい」の2種類用意してその場の感触で選ぶことにして出かける。昼を過ぎると小雨ではあるが降ったり止んだり。
 佐野藤岡ICを横目に順調に現地入り。いつもはプレミアムアウトレットへ向かう客の出口渋滞でごったがえしているのだが今日は拍子抜けするくらいガラガラだ。
 昨年より少し遅めに出発したがやはりここに来るには早すぎる到着時間。
 さ、寒っ……。5月だというのに季節が逆戻りして2月や3月の寒さだ。「しっかり」の方の上着を着てざっとロケハンし三脚を置く、も似たようなことをしている者も誰も居ない。順延ということもあるけれど人気(ひとけ)があるのは準備中の露天商の並ぶ正面の堤防道路だけ。農道脇に駐めた車の横をたまに犬を散歩させる地元の人が通りすぎるのみ。
 それでも日頃はモニタディスプレイを前にしてのお籠もりのデスクワークが殆どとあって、ロケハンの合間に、田圃の畦に満ちる野花や農家の庭先で手入れされた花々には眼も気持ちも癒される。その意味ではほぼ待ち時間もその最中も野外で過ごす花火撮りというのは自然と一体とまでは大げさだけど開放感に満ちた撮影だ。
 時折小雨が落ちて寒いこともあり車の中でうとうとしながら待機する。ようやく三脚が増えてきたのは17時も過ぎてから。
 三脚を連ねている中には見知りの花火愛好家も交じっているのだが、普通にアマチュアカメラマンという人たちもやってくる。三脚を持った人たちが農道を来たな、と思ったらやおら私どもの三脚の間に差すのが不思議でならない。何故って?他の場所も色々とあたり、打ち上げ場所や風を見て検討したあげくにそこに決めたならわかるけれど、どう見てもそこからの絵も使用レンズも花火の方向もなにもあたった様子もなく現着していきなり置いている。単に三脚が一杯あるからここが良さそうに違いないと判断したとしか思えない。他にもいくらでも撮影好適地が空いているのに比較しようともしないご様子。撮影テクニックに三脚が並んでいる所に交じるのもひとつの手だと書いたが、それは初めての場所で自分でも検討したけれど決め手がなかったらということだ。


オープニングスターマイン

オープニングスターマイン
デジタル

オープニングスターマイン
ポジフィルム

    

エンディングスターマイン
下方は滝山の煙

エンディングスターマイン
下方は滝山の煙
        
 今日はデジタルカメラを伴って同時撃ち。熱海でバンバン撮って連休明けに現像に出すつもりが、予想外に消費できなくてカメラの中にフィルムが残ったまま。1カットでも現像できるデジタルカメラはこういう場合は便利だと思う。
 撮りの構図は昨年同様に水を張った水田を挟んで夜店列を前景に入れるというもの。打ち上げ列に対して上流側からのハス位置となる。立ち位置は昨年と近いような気がするが、隣接する別の水田だったかもしれない。打ち上げ場所と撮影場所がどちらも見られる堤防道路上で双方を見ながら正確な構図を確認するのも昨年同様。撮影位置に立って設置幅はここからここまでと割り出す。それで使用レンズも構図も決まるのだけれどようするに三脚群に連ねればそれでよし、というアマチュアカメラマンはこういう作業をしていないわけだ。
 日中の定時雷の煙は上流(北北西)から川に沿っての流れ。完全な風上は設置列に対して直角方向なので少しでも風上気味でワイド幅が味わえる位置ということで今回の立ち位置は理に叶ったものとなっている。
 水気はあるが、夜店を中心にシンメトリーに撮れるほどには使えない。それはメイン観覧会場の堤防道路より距離を取っているもののそれなりに近いからだ。玉は小さいものの高さを稼ぐ。基本的には全幅でワイドが出ても縦位置で撮れる位置取りをしているわけだが、連なる夜店の列が綺麗なのでフィナーレでデジタルだけ横位置にしてみた。そうすると上が厳しく玉が大きくなると入りきらなかった。デジタルカメラはこの日最広角のレンズを装着している。けれど長辺が長すぎるデジタルカメラの縦横比では横位置にしたとき天地が足りないのだ。縦位置でも水の反映部分を多く入れるにはかなりの広角レンズでなければならず構図に無理がある。小型煙火ならともかくスターマイン程度ではせいぜいザラ星まで。
 18時を過ぎて最後のトイレにという頃になると吐く息が白い。予報どおり気温は10度台前半というところか。指が冷えないようにホッカイロも用意。これくらいの時間になってようやく観覧客が増えてきたけれどダウンをはじめとしてどの客も防寒対策ばっちりである。
 予算も限られているという話だったがプログラムの数も豊富でなかなかの物量だったのではないかと観終わって感じた。オープニングとエンディングは時間をかけたワイドで見応えある内容だった。ここは写真的には絵になる脇役が揃っている。だから後は花火が決まればなかなかいい構図になってくれる。順延で昨年よりも露天商の数が少ないし、出店の割り当ては決まっているのに店を出していない場所があって、いつもは隙間無く並んでいるのにいくつか歯抜けがある。絵的には残念かと思われたが隙間無く並んでいると見えない(写ることがない)堤防上の観覧客が見通せるのでこれもまた良しかと考えた。
 スタートしてみると地表近くは良く風が流れ、それが寒さを感じさせる程だったが上空は動きが悪い。スターマインはいいが単発玉では煙に埋没気味だった。
 途中二度に分けて行われる全国各地の煙火業者による5号3発ずつ打ち上げのプログラムが注目だったが、どこでどの業者の玉が区切られているのか私には良く判らなかった。後で聞くところによると一部で前に1つずつずれて打ち上げられていたようで前後の業者の玉が混ざっていたらしい。
 ところどころに価格的に上等なランクの小型煙火が使われていたが、それとスターマインと組み合わせるなど過去にみられた演出はなく単独での消費になっていたところが惜しまれる。数多い単発玉の消費は1時間超という開催時間を稼ぐためか、単独スポンサーに打ち上げを割り当てるためかどちらかの演出と思われる。
 エンディングはナイアガラ(こちらでは滝山と呼ぶようだ)を伴って千輪咲きや銀スターマインをワイドで見せてくれて豪華だった。
 予定の20時30分を過ぎて終了。上空の風が弱く溜まり気味だったがその頃には月も見えるほどの夜空。順延のせいか観覧客の車も少ないのか町中を抜けるにも昨年ほど渋滞せずスムースだった。

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