花火野郎の観覧日記2006
2006年の大曲の花火観覧場所について
2006年の観覧場所は以下のようになっていた(マップは拡大化)。
マップは現地取材と多くの現地写真、事前情報等を元におこしたもので、公式プログラムなどに掲載されている略図ではなく、実際の地形そのままの地図となっている。細部に実際と異なる点はあるし、地図製作上で省略している部分(A桟敷は繋がった長い席ではなくゲートごとに分断されている。河川敷への階段をいくつか省略)もあるが、物の場所と位置関係はだいたい網羅していると思う。
一見すると緑色の一般席はかなり広そうに見えるが、特にA桟敷の後ろでは、A桟敷の見切りの高さが高い(床の下を立って歩けるくらい)ので真後ろで観るのは無理であるし、たとえば仮設トイレ群の真ん前に座る者など居ないから在る程度距離を置く。また夜店の後ろにも商品やら材料やら発電器やらが置かれているから距離を置かざるを得ない。なんてことになると実際に人が座れる場所はもう少し狭い。
プログラム誌の見取り図にも載っていないが、実際は上流側に後から桟敷A席がいつのまにか増築された。これによって一般席はさらに大きく削られたのである。昨年も桟敷に見取り図にない5列目が増築されていたが、今年のそれは昨年より遙かに巨大な増築分であった(いつ売ったのかわからない増築分桟敷席もオークションに図面入りで流れたのでその存在と規模を知ることが出来た)。
一般席
座るところの決まっている指定有料席(桟敷A、C席、P席は全指定)の客にとっては、花火当日午後2時の入場時間が来るまで、その場所がどういうところか?なんて考えもしなくていい。
しかし一般席利用者には、「自分たちが座れる、観られる場所はどことどこか?どこら辺か?どれくらいの広さがあるのか?」「何時からどうやって場所取りするか?」など知りたいことは山ほど在るのだ。気軽に河川敷を覗きに行ける地元の者はともかく、遠方から大曲に参じる愛好家も今や多数。
しかし主催者側ではもっぱら指定有料席販売の情報ばかりに徹し、いつまでたっても一般席についてはどういう状態になっているか示されないままだった。それどころか桟敷席の見取り図など目に見える情報を一般に公開もしないのである。いまやHPを通して会場案内図や配置図を掲載するなど常識であるのに、何をそれほど隠さなければならないのか?しかし無理もない。上の図版のような正確な寸で見取り図を公開すれば、一般席が極限まで削られ、昨年まで一般席であった場所まで召し上げて有料席を造ったことが事前に明白になってしまうから。広大な河川敷で一般席も充分にありますとだけ喧伝しているが、一般席が10年前と同等の面積だとでもいうのだろうか?(写真・どちらも金谷橋上から。左は角度は違うが10年前。後方の山で比べるとわかるが左の写真は望遠で引っ張っているにもかかわらず桟敷の規模は現在より遙かに小さいし、一般席の広大な様子がわかる。右は今2006年。増築された桟敷がすぐそこまで迫る。)
いったい全体どういう様相なのか皆目見当のつかない一般観覧席の様子であった。私は7月の在る花火大会で、大曲の有力関係者の一人に、なんでも良いから一般席の情報をもっと流して欲しい。それを知りたがっている人は多いはずだ。と訴えた。この方は即座に行動してくれたらしく、以降商工会議所青年部のブログには、公開できる範囲で逐次会場の様子が開催直前まで写真、図版入りで掲載され続けたのでありがたかった。
そのおかげで大曲リピーターで会場河川敷の様子もだいたい了解している私には、それらの情報を紡ぎあわせれば事前にほぼ観覧席の全容ばかりか、打ち上げ場所の筒の設置状況までを把握することができた。
今期の一般席。面積が大幅に有料席などによって大幅に削られただけでなく、一般席部分へは入場時間規制、場所取り規制まで設けられた。 いったい主催者はなぜにこうも一般客についてないがしろに等しい扱いをするのだろうか?
入場規制は前日以前の場所取り禁止どころか当日の早朝午前5時にならないと、河川敷内への立ち入りすらできないというものだった。名目は前日まで工事に追われているというものだが、工期を逆算して始めればそんな凡プレーがあるはずもなく、単なる締め出し規制である。河川敷内には一般席確保希望者のための入場ゲートが下流に一カ所だけ設けられ(上図の一般席ゲートとある部分)、そこからの入場しかできないというものだった。ゲートの下流側は入場を待つ客のための待機所としてかなりのスペースが割かれていた(ゲートオープン後は一般席として使用)。 下流に一カ所だけというが、たとえば上流側金谷橋の脇の河川敷と堤防斜面を確保したいと思ったら、ゲートから河川敷内を1.5キロメートル近く歩かなければならないことを一般客には強いているのだ。それに加えて、持ち込むシートは1グループで4メートル四方以内だの、テントやパラソルは持ち込むなだの、禁止と規制事項が山ほど設けられた。煮炊きをするな、カラオケを持ち込んで歌うなとでも言うならわかるが、なぜに自由観覧場所でシートの面積にまで口を出されなければならないのかわからない。それよりシートの面積が気にならないほどの10年前の一般席の広さに戻して貰いたい。
ほんの数年前までは、堤防斜面は地元の人が、前の晩、深夜にもかかわらず懐中電灯片手に一家総出で場所取りをやっていた。もちろん地元の人だけで余地がなくなってしまうほど狭くないからそれで充分に成り立っていた。私もそうした時間に地元の人に交じって場所取りに参加したことがあるが、何かわくわくする楽しさがあった。私はこのわくわくする高揚を前夜祭と称したのだ。
前夜祭といえば、今年は真の前夜祭としてチャリティコンサートがあったらしいが、チャリティの浄財の行く先が花火大会のゴミ処理費用というので果てしなく呆れはてた。おいおい桟敷販売で億単位の前金での現金収益があるのに、まだ小規模なチャリティから僅か数万円という微々たるゴミ処理費用を吸い上げなければならないほどカネが足りないとはなんと難儀な大会であることか。桟敷の収益からアマチュアバンドの活動資金をサポートするとでもいうなら応援もしたくなるが逆でしたか。そうですか。
現在は地元の観客の、そうした花火の日に向かっての場所取りの楽しみすらない。堤防斜面はよそ者はおろか地元の人にすら入手しにくい「団体売り専用C席」。金額の大小ではなく、買う機会すらないのである。もちろん個人販売分も多少あるし、団体売りといいながら融通で特等席が手に入るような裁量枠やコネ枠もいくらでもある。しかし基本は「自分たちで場所取りするように気軽には入手できない」のである。
一般席入場については、宿泊したホテルでちょうど場所取りを終えてきたばかりというグループと運良く出会うことが出来て、詳しい様子を知ることとなった。この男女4人組のグループは大曲の常連客で前日の18時からゲートに並んでいたのだという。入場を待つ行列は数百メートルに延びゲートから姫神橋の下にまで達していたという。
地元のいくつかの新聞報道では、入場制限を設けた一般席は「混乱もなく」入場が行われたと、とかく大会内容も運営も、お客の声も「良いこと」しか報道しないのは片手落ちと思う。実際は一般席入場ゲートに徹夜して並んだこうした客からは憤懣の声が聞かれた。なぜなら一箇所しかないはずのゲートに決められたように長時間並び、いざオープン!となってなだれ込んでみると、他のあちこちの入場口をかいくぐって侵入する一般客が多数あり、徹夜して並ぶ必要など無かったのだ。こんなゆっるゆるのゲート管理では普通に夜が明けたらどこからでも入って場所取りすれば良かったわけだ。これなら決まりを守る者は馬鹿らしくてやってられない。
一般席入場は午前5時からとしたが、5時になって人が三々五々集まるはずもなく、ゲート最前列辺りは前日の夕刻から並び始めたらしい。そしてオープン時間には「主催者発表で」2000人ほどが並んでいたという。しかし、その大部分は河川敷で夜通し並んでいた、つまり河川敷で夜明かししたということである。こういう状況を予測できながら、主催者は野外の徹夜での行列を当然のことのように放置したのは人道上おかしいのではないか?
主催者は、この行列の事実を単に「徹夜で2000人も並ぶ程の人気のある花火大会」という宣伝ネタとしてのみ使いたいのであろうが(桟敷一般販売の徹夜行列の報道と同様に)、徹夜で行列しなければならないシステムにしているのは主催者自身であることを自覚して戴きたい。普通に前の晩にでも場所取り出来たり、日中どこかで入場整理券でも配ればたいていの地元の者は帰って家で寝たであろう。一般マスコミには「徹夜行列のできる大人気の花火大会」と報じられようが、こうした個人のHPでは事実を書くのである。並んだ者の中には寒くて一睡もできなかった者も居たという。有名で人気のある大会だから、野外で徹夜も当然、並んでいるのは各自の勝手と関知しないつもりだろうか?焚き火をする、毛布を配る。保安のための警備要員を常駐させるなどの行列している客へのケアはもちろん手厚くされたことと思うがいかがだろうか?
上流側、金谷橋の脇の一般席の様子。午前8時30分頃。増築されたA桟敷がかなり食い込んできている。
桟敷の下流側の端と一般席の入場ゲート。C席もここが右端となる。
C席からP席、堤防通路を挟んで一般席、桟敷Aと続く。良く見ると一般席の最前列はトイレと桟敷の間にかなり距離を置いているのがわかる。
C席とP席は二個一仕様。両指定席はひとくくりで囲いの中に設けられている。
C席
座席番号の紙の貼ってある(実際は紙ではなく白いビニール袋に番号がマジックで書いてあり、袋の中味はゴミ袋)上の段と下の段の板2枚で1マスとされる。
P席
コンパネを縦に繋ぎ合わせてあるが、横長の1区画が指定席ひとつ分。2名で座るには充分だが、居心地が良いとはいえない。また河川敷通路の際なので最前列の区画は落ち着かない。
審査員席
P席に挟まれるような位置の河川敷通路際にある。床は1段高い位置にある。
カメラマン席
ネットの直ぐ内側最上段とその直ぐ下の2段目と2列仕様に変更された。
カメラマン席
昨年懲りたカメラマン席は大分改善されていた。まず3段目の下段がなくなり2段目も最上段の直下と視線が高くなった。目障りな重機や資材置き場が撤去され、電線や投光器の影響はあるものの格段に良くなった。ひと区画も三脚1本を置いて自身が立ちカメラバッグなどを置くにも充分な広さであり、一般のアマチュアの方が利用するに十分快適と思う。しかし場所がここにしか設営できないというど真ん中のため好みが別れるところ。関係者の善処は評価したいが、相変わらず事前に申し込んでいるのにも関わらず、桟敷の入場が午後2時からなどというのに現地河川敷で当日午前9時受付というのは利用希望者を限定している差別行為に等しいので改善して貰いたい。もしくは関東方面から大曲駅に当日の午前8時に到着するようなこまちの臨時列車を通して貰いたい。
P席の新設について。
今年新設されたP(ぺアー)席は、1,100マス設けられ、1区画2名分で5,000円で販売された。名前のとおり2名分の指定席だ。このP席において大曲初となる「当日売り」を実施した。当日売りは200席分(400人分)で大曲駅頭で30席、河川敷大会本部などで残り170席を販売したが。駅頭では早朝で既に当日売りを求める客が大行列を成しており、あわてて30席分の人数を数え、規定数を超えるお客へは河川敷での購入を促したらしい。河川敷での当日売り分はまず午前中には完売すると考えた方がよいだろう(数が少ないから駅頭はもっと早い)。
P席は、堤防斜面を下って直ぐ平になったあたりにコンパネを縦に繋ぎ合わせて大きな板敷きの区画を作ってある。畳み1畳ほどの広さの横長の1区画が指定席ひとつ分。ここだけをみればA桟敷とひと区画の面積の違いだけで仕様はそっくりだ。A桟敷と同様に何かクッションのある敷物を持参した方が快適だろう。P席最前列は「そこにしか往来する通路はない」という河川敷通路に面しているから、目の前をもの凄い観客が行き来するので大変落ち着かない。
P席は、その後方に連なる堤防斜面のC席と一緒に指定席エリアとしてひとくくりフェンスで囲われており、いくつも設けてある入口から桟敷券を見せて入場する。
しかし一般席の場所取りのためのゲートが一カ所しかないのに、P席、C席への入口は何カ所もある。そして午後2時の入場開始と共にゲートキーパーはガードマンからやさいバイトのお兄ちゃんにバトンタッチ。このゲートキーパーが温すぎて、P席、C席への指定エリアに夜になって相当数の一般客が侵入したようだ。写真を見るとわかるがP席、C席の座席周りは無駄すぎるほどの空きスペースがあるからいくらでも入り込める。ゲートキーパーは中に入ってまでいちいち首から下げた桟敷券など確認するわけでもない。だいたい番号すら確認しないから、その桟敷の色の券を下げていれば、どの区画もフリーパスだ。しかもいったん入ってしまえば二度と確認されることもない。まぁ、元はといえばP席のある場所は昨年までは一般席だったのだから無理もない。
C席の感想。
今年はC席、板2枚分でひと区画となった。一見すごーく広くなったようだが、板1枚分の幅は、大人5人が並んで座るには少々狭すぎる。で上下に二人と三人とかに別れて座ると、下の段の人は次の区画の人の背中に足が当たってしまう。
結局上の段に5人、下の段は荷物とかの置き場だろうか。しかしC席は花火が進むに連れて次第に席を離れ、周りや下方のP席との間の広い空きスペースにシートを持って移動する人が多くなった。この狭い板きれに座っていられないのだ。自前のシートを敷いて寝そべるように観覧する人がたくさん居た。C席は別に板1枚で良いから、横幅は1.5倍から2倍は欲しい。それで下の段との間隔を広めにすれば快適だと思う。
C席とP席をつながったひとつの囲いの空間にしたのはともかく、それで無駄な空きスペースが生じた。昨年まではC席の下は全部一般席だったのだから、その方が隙間無くお客が座り込めたと思う。だいたいC席は総面積の割にはかなりゆったりと席割りしてあるので、斜面全部が一般席の方がお客の収容人員は多いと思うが。
今年の会場設営で良かった点。
堤防道路上の
無 駄 な
投光器が減った。歓迎である。ようやく大曲の空が少し暗さを取り戻した。
だいたい堤防道路の河川敷側から、堤防斜面のC有料席の金を払っている客に向かって頭の上高くから何十箇所もの投光器の光を浴びせかける理由は何なのか?なぜ金を払って見物している客がそんな仕打ちをされなければならないのか疑問だった。その照射行為には何の必然性も無い。ただ眩しくて迷惑なだけである。堤防道路は既に観客の通行を禁じており事実上緊急車両しか通らないのだから、車両が道が見える程度に灯りがあればいいのである。河川敷へ降りる階段の所には相変わらず最悪のUFOバルーン投光器が鎮座しているが(NHKの画面にも度々登場)、一時期に比べれば必要最小限の量になったのではないだろうか。
オークション対策?
桟敷A席、C席のチケットの裏にも、転売禁止云々と記載されている。が、これはオークションに対してなんらかの対策をしている、というポーズだろうか。
オークション市場を見ればわかると思うが、そこに出品されている桟敷券は、とびっきりの超特等席ばかりなのだ。これはまずは団体から売り始め、穴の空いた席を処分するというのではなく、最初からど真ん中の最前列などという特等席に関しては、地元客に優先に回るように最初から取って置いてあるのだと、好意的に解釈したい。しかし商工会議所の隣で2日も徹夜して並んだあげくにようやく入手できたそんな特等席を手間を掛けて転売するのがわからない。中にはどうしても都合が悪くなって処分したい方もいるかも知れない。私ならそこまでしてようやく手に入れた桟敷券。売買のやり取りの手間を考えたら僅かな利ざやでは自分が行けない場合を除いてはオークションになんか出さないだろう。
商工会議所は販売主であるから、どの区画をどこに割り当てたか全て把握しているはずである。オークションの出品画面を見れば、席番号は臥せられていても同時に掲載されている桟敷見取り図の割り当て位置から、その出品先を特定できるはずである。もし商工会議所が本気でオークション対策をするなら、まずこうした特等席(増築分を含む)の同じ者への供給を絶つだけでかなりの出品は規制できそうだ。そして去年から今年にかけて、結局そうした特等席の転売はなくならなかった。もっともそのおかげでわれわれは滅多に入手できない特等席のおこぼれにあずかれるのであるから歓迎であるし、オークションというのは(自己責任であるけれど)、商工会議所が実現してくれていないネット販売窓口のようなものであるから、行列出来ない遠方の者にもありがたい。
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